大槻ケンヂ 『オーケンののほほんと熱い国へ行く (新潮文庫)』


オーケンののほほんと熱い国へ行く (新潮文庫)

オーケンののほほんと熱い国へ行く (新潮文庫)


オレンジ色の背表紙の旅行記、出版元は新潮文庫、ときたら沢木耕太郎の『深夜特急』を思い出すが、本自体のみためはそれとそっくりだ。オーケン流のドキドキハラハラ珍道中をまだ初々しい筆致(断罪!のころだ)で書き綴った旅エッセイである。テレビ番組の企画で行くことになったインド、己の見聞を広めバンドの表現レベルを高める名目で旅したタイ、そこに行く者の価値観を根本から覆してしまうという強烈なインパクトを保持する国々で彼が体験し、感じたこと、出会った人についてをストレートに記述している。
当時の大槻の素朴で情けないキャラクターが熱帯の気候・甘ったるい空気と相まってなんともたまらない「のほほん」を味わうことが出来る。異国の地で踊る!!ダメ人間!!


ツラいツラい現実世界の不条理さを歌う男が、一時そこから逃れて何を想い、その経験として何を持ち帰ったのか、それは筋肉少女帯の曲に反映されている!!!のかな?