『筋肉少女帯自伝』


筋肉少女帯自伝

筋肉少女帯自伝


筋肉少女帯の復活を記念して自伝なんてモノが出版されてしまった!こりゃ貴重な本でしょう!分厚くてボリューム満載、真っ赤な装丁も豪華で筋少らしい。現メンバーの4名が、大槻ケンヂ橘高文彦本城聡章、最後に内田雄一郎という順番で、それぞれ個々に書き綴るという形式で収められている。
イヤに分厚いので途中で読み飽きたりしないかと思いながら大槻の章から読み始めた。今までかなりの量のエッセイや小説をリリースしているせいで彼が書いた内容については既出な情報が多かった。正直、またか……とつまらなく思えた。





がしかし!!橘高の章から激烈に面白くなってきた。デリケートで知性溢れる天才ギタリストの栄光と苦悩、日本一奇特なバンドの中でのポジショニング、音楽からは見えなかった、音楽では表現しなかった様々な事柄が今になってコレを読んでわかった。家庭環境や精神の病まで、ここまで己を赤裸々に告白しちゃうとはビックリだ。70年代ヨーロピアンなハードロックというコテコテに様式化されたプレイスタイルの奥で、彼がどんなことを想いながらバンドマン人生を歩んできたのか、今になってわかった。重い生涯だ……。ってか

君たちロックの話をしろよ!



続いて本城の章、こちらも興味深い記述が多い。一時期有頂天に参加していたり、高校の頃から大槻・内田のコンビやケラと近い距離にいた者だけあって、80年代ナゴム事情の話題が多い。まだバンドを始めたばかりの高校生の大槻・内田らとの活動について、及びお宝写真(セーラー服でライブなんてw)が満載で、今まで知り得なかった面白いネタがいっぱいだ。こんな個性の強い友達がたくさんいて、オチャラケながらも互いに切磋琢磨して多感な時期を過ごしていたとはなんとも羨ましいものだ。東京の学校は違うなぁ。



最後に筋少のブレイン・内田の章。なぜか前の3人を総括するかのようにうまくまとめている。相変わらず適当に生きているんだがしっかり考えてるんだか解らない男だ。ただ、彼の記述は非常に読み手を和ませるものがあり、それに筋肉少女帯の唯一無二のバンドカラーの確立は、結成時からいる中心メンバーたる彼の存在が大きいのは分かったような気はした。カメラが好きな子供だったのね。


嬉しいオマケCDも貴重度MAX、こんなレア音源をつけてくれるとはすごいサービスだ。5人編成になったばかりの時のライブ音源、大槻の狂気がほとばしる‘これでいいのだ’と、高校生バンドコンテストの‘日本の米’は必聴!!



THE BAND IS BACK!40にして復活。これからどこへ向かって進んで行っちゃうんでしょか???


筋少の大車輪

筋少の大車輪