町田康『テースト・オブ・苦虫〈4〉』


テースト・オブ・苦虫〈4〉

テースト・オブ・苦虫〈4〉

長期に渡りYOMIURIウィークリー誌に連載中のエッセイを単行本にまとめたもの。早いものでもう第4弾だ。町田康という男の等身大できわめて日常的な心中が、あたかもそこいら辺の小心者なオッサンが語るかのようにダラーリと綴られている。表現方法や言い回しなんかは相変わらずの町田節が炸裂、思わずクスッとしてしまう場面が随所にあるので電車や喫茶店等、公共の場所で読むには勇気が必要だ。どこまでがリアルでどこからがフィクションなのかわからないような執筆活動〜日常生活の描写が今までの3巻よりも増えているのが今作の特徴かもしれない。誰もが一度は感じた経験のあるほんの些細な困難やちょっとした腹立たしさをこういう調子で書いてくれると現代社会の荒波もさらりとかわして生きていけそうに思える。ちょっとブルーな時に読むと吹っ切れるかもね♪