江本純子『股間』

股間

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読もう読もうと思っていたら発売されてかなりの時間が経ってしまっていた。毛皮族主宰・江本純子の自叙伝的なのかすっかりフィクションなのかどっちかわからない謎の処女小説である。先日の軽演劇@リトルモア地下で購入してサインしてもらったのだ。


池袋の大学に入学して演劇サークルに入った主人公・重信ジュリが苦労を重ねながらも自らの劇団を立ち上げ、演劇人として成功への道を求めていく様子と、その中で出遭った様々な女性と恋愛を重ねていくという意味深なストーリーである。
苦労まみれの演劇人としての心理描写もレズビアンな恋愛描写も、同じような文がたびたび繰り返されるせいもあってか飽きが来る。そのうえ薄っぺらで小説としての完成度は低い。しかしこれを江本の自叙伝と捉えるならば、面白みは確かにある。町田マリー、柿丸美智恵、澤田育子、金子清文etc……、毛皮族とその周辺人物をモデルにしたキャラクターが頻出し、彼らとともに険しい道をこうして歩んできたのかと毛皮族を知っている者にとっては興味深い内容だ。特に演劇人生最大のパートナー・マリーとの出会いを描いたシーンには鳥肌が立つ思いがした。。。


歌手デビュー、文壇デビュー、政界デビュー。江本純子・人生の三大目標の第2弾、本谷のように二足の草鞋でいくにはまだまだ力は足りないが、溢れるエネルギーと勇気と誰にも負けないバイタリティ、、、独自の力で果敢に奮闘し続けるさまはやっぱりカッコイイよなぁ。
七周年記念公演『おこめ』、今一番の楽しみかも。




毛皮族:www.kegawazoku.com


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