ウィリアム・シェイクスピア『オセロー』


オセロー (新潮文庫)

オセロー (新潮文庫)


シェイクスピアの戯曲に挑戦!ということで先日の『マクベス』に続いて四大悲劇のうちのひとつ、『オセロー』に取り掛かってみた。こちらも思っていたよりもずっと読みやすかった。忠実だと思っていた腹心・イアーゴーに見事欺かれたあげく夫婦の仲まで引き裂かれ、それでも最後まで愛を貫いたオセロー。純朴過ぎて人の話をありのまま信用してしまう性格は軍人として情けないのかもしれないが、嘘や欺瞞、不義・不貞を嫌悪し、ひとりの人間として、国に仕える者としてあるべき理想の姿に忠実であろうとした彼の人生観は素晴らしく高潔といえよう。
会話にテンポがあって簡単にストーリーに引き込まれるしグイグイと読み進めてしまう。舞台の上で役者が演技している姿が目に浮かぶような文章である。福田恒存の訳・解説は私のような初心者にも分かりやすく、より興味を持つように書いてくれている。次は『リア王』に挑戦してみようかな?