PANICSMILE 6th ALBUM「BEST EDUCATION」発売記念 PANICSMILE and ELECTRIC EEL SHOCK coupling tour 『New Heavy Metallic Education Tour 2007』(下北沢SHELTER)


出演:PANICSMILEELECTRIC EEL SHOCK、KIRIHITO


結成15周年!今月待望の6thアルバム『BEST EDUCATION』をリリースしたPANICSMILEのレコ初ライブ、約一週間にわたるツアー初日は下北沢シェルター。旅立ちを祝うのにふさわしい素晴らしいライブをみせてくれた。本当にすごかった!


ゲストのKIRIHITOが演奏している時に会場に入ったのだがシェルターはもう満員状態、このハコにこんなに人が入っているのは初めて見た。ツアーに同行するELECTRIC EEL SHOCKの演奏の後に満を持してパニスマが登場、ステージに登場した姿を見るだけで今日のライブへの意気込みと新作への自信が伺えた。言葉では上手く説明できないが、本当の意味でロックバンドらしい、良いチームだなと思った。


当然ながら新譜からの曲をメインにライブは進行していった。歌メロは分かりやすく、メッセージはストレートで意外にすぐに入り込める曲が多い。がしかし今までのPANICSMILEらしさは全く失われていない。吉田肇の声は人間味に溢れ、聴くとどこか安心してしまうものがある。吉田とJASON SHALTONの変態ツインギターの弾き分けは序盤から白熱していて、まるで二人で別の曲を弾いているかのようにハチャメチャだが、やっぱりこうじゃなきゃパニスマじゃないと思わせるカッコよさがある。音が歪み過ぎていない分フレーズがよく聴き取れて充分楽しめた。同様にこの日の人気者・保田憲一のBASSプレイも最強のMy萌えキャラ・石橋英子のドラミングもアヴァンギャルドで実験性に富んではいるが、小難しいというよりはむしろ聴いていてしっくりくる。演ってる側にとっては難しいのであろうが聴いている側としてはべつに難しくは感じない。‘BEST EDUCATION’、‘POP SONG(We can write)’、‘So Close’、‘Goodbye’、インパクトの強い名曲を次々と繰り出してくれた。‘Chicken Force(May the chicken force be with you,always)’では珍しくバンドとオーディエンスとのコールアンドレスポンスがあり、吉田も保田も満足げな表情をしていた。
もちろん定番の‘STIFF LITTLE FINGER’や‘FREEDOM IS THIS’もしっかりと披露。なにを考えてるのかわかるようなわからないような不思議なフレーズ、時折飛び出す激しいノイズ、どこにも属さない個性的なサウンドを奏でるバンドの演奏中の空気感はたまらないものがあり、私は時間も空間も忘れて没頭した。脳の中から何かが抜け出てしまったような浮遊感が心地よい。演奏技術もアイディアもソングライティング能力も日本のインディーズバンドとは思えないほどに優秀すぎてもう感服だ!バンドをここまでものすごいところまでのし上げてしっかりまとめてしまう吉田肇はCaptain Beefheartのようであったぞ。まさにThe Magic Bandだ!

BEST EDUCATION

BEST EDUCATION

Trout Mask Replica

Trout Mask Replica