町田康 『テースト・オブ・苦虫〈3〉』


もうおなじみエッセイ集の第3弾。ヨミウリウィークリー2002年7月7日から2003年5月25日にかけて連載されたものだ。書いてある内容は今までのエッセイとなんら変わりのない、日々の些細な事柄を面白おかしく書き綴っている。さらっと読んで爽快に笑い飛ばしてしまうための作品である。
日常生活やお得意の東京風土、自動車(道路交通)社会についての記述から、この人は普段こんなことを思いながら執筆をし歌を歌っているのか、なるほどね、、、とクスっとしてしまう。今作はさらに日常生活との密着度が高く、メールやケータイ、パソコンなんかも登場してきて、町田康っていったって21世紀社会をもがきながら生きる男なのだなと、古風めな描写の中にひょんと現代が露見する様が面白い。
どこまでが本当なのかはわからないが軽い皮肉を交えて音楽業界や出版業界にチクリと一言書いちゃってるのも見逃せない。渋谷でサイン会があったのでしっかり行って来たぞ。若干お疲れのようであったかな?