ポツドール『恋の渦』(新宿THEATER/TOPS)

脚本・演出:三浦大輔
出演:米村亮太朗 古澤裕介 鷲尾英彰 美館智範 河西裕介 内田慈 遠藤留奈 白神美央 小島彩乃 小林康浩 他

三浦大輔ハマの番長じゃなくてね)主宰のポツドール。これも今回初めて観る。三浦の名前以外に予備知識は全くなかったのだが、ちょっと前にPPPPを観た時に気に入ってしまった内田慈が出演するのでとりあえず観劇してみることにした。なのに席は最前列中央、大丈夫だよね?
縦2分割&横2分割、4つの部分に区切られたステージ、4つの部屋それぞれともいかにも若者が住むようなワンルームマンションであるようだ。オープニング、『egg』から飛び出してきたようなちょっとカンジワル〜なイケイケ風の若い男女8名が一同に集まって雑然とした中、勝手に会話しまくる、、、どの役者のセリフを中心に聞けば良いのか全く分からなかったがとりあえず喧しい分だけここから何かが始まるのだなという感じが高まっていった。集まりが解散されてからも、4つの部屋を使って2つ以上のシーンが同時進行されていく場面がほとんどであった。終始雑然とした雰囲気はタイトルのとおりまさしく『渦』であった。
登場人物がすべてギャル・ギャル男なのでちょっととっつき難いと思ったのは最初だけで、(出てくるのはそんな民族であっても)テーマは有史以来人間が根本的に持つ習性である。恋愛、性欲、征服欲、憎悪、金銭欲、8人のキャラクターの性格を器用に用いて巧みに表現されていた。なかなか上手いものである。一見複雑そうな各人の願望・欲求が分かりやすく提言されており、情けないようなどうしようもないシュールさやエロさ(半勃ち丸出しにはちょっと引いたが)も織り交ぜながら飽きないように工夫もされていた。最後にどうなるのかと思うような疑惑や謎が適度に散りばめられて物語が進むにつれて自然とストーリーに対する興味が深くなっていった。唐突な場面転換や暗転時の音楽、日時設定なんかもぴったりハマっていて、イイカンジじゃね♪
終盤にいきなり登場する普通すぎるのメガネの男や、ラストの深夜バイトの謎もインパクトは強大でドッキリ。時間的にちょっと長いなとは思ったが、なかなか面白かった。最初は入り込めなそうに思えて抵抗があったんだけど、見終ってみると、こういうのもアリだね。



終演後、某劇団の町田嬢を発見、何度見てもドキッとするほど可愛らしいもんだ。