町田康スペシャルナイトvol.2(duo MUSIC EXCHANGE)


こないだジェット機を見たのと同じライブハウスで今度は町田康先生のスペシャルなライブ。ゲストになんとなんと中原昌也先生。一粒で二度美味しいにも程がありすぎる。
まずは町田氏が出てきて簡単な挨拶と中原氏の紹介をした。
次はドラマーを1名従えて、中原が登場。暗い場内、、、ひたすらノイズ、ノイズ、ノイズ…。知識が乏しくてよく分からないのだが、様々なエフェクターやらサンプラーやらミキサーやらシーケンサーやら、ゴテゴテした機材の色々なツマミを彼は休みなく操作し、そこから生まれる電子音の洪水が俺の鼓膜を刺激した。暴力温泉芸者のCDでしか彼の音楽は知らなかったのだが、ライブで聴くと凄みがよりハッキリわかるような気がした。とても言葉で説明することができるものではないが中原昌也にしか出せない音であることは確かだ。音の細部にまで神経が通っているような、、、どこかしら人間性が垣間見れた。魂の奥深くから噴出する咆哮(怒声?)もとてつもなくカッコイイ。小説と同様、暗くて救いがなくて、絶望的なサウンドだ。普通の人が聴けばただの雑音と思うかもしれない。しかし、俺は共感する。他の人はどう思うかは知らないが、俺は共感できる。40分間ぶっ続け、最前列中央の席でのめり込むように聴いた。くんくんしながら聴いた。終わりに放った謙虚な言葉にも好印象を抱いてしまった。ノイズのバックで起承転結のあるカラフルなドラミングをめいいっぱい奏でていたのはなんとあの中村達也であった。びっくり。
4月のライブも都合がつけば行ってみようと思う。

OTIS

OTIS





続いて本日の主役・町田康登場。バンドメンバーはもうおなじみになりつつあるAxSxE(G)、赤坂みちる(B)、恒岡章(Dr)、石橋英子(Key,Fl,Dr)。
町田康グループのロックっぽいサウンドはまた違ったこのメンバーならではの良さが、回を重ねるごとに増してきていると思う。音もだいぶ固まってきた。新曲の完成度も高い。町田というリーダーを中心にして、あとは曲が始まってからどうにでもなれというか、曲の行き先はメンバーそれぞれに委ねられるようなフリー・ロックテイストが濃い。最近よく聴いている70年代マイルスデイビスバンドみたいだ。それで町田自身はそういうバンドの個性を把握し、魅力を引き出した上で歌い、叫び、がなっている。以前よりもより感性に任せるというか感情そのままの歌だ。特に‘うどんだし’や‘生きる価値’なんかではナマのリアルな町田康を見れたと思う。
「光が、、、」、恒例の詩の朗読も今まで聞いた中で一番良かった。今日は滑舌がよかったせいもあってか、家に帰ってからでもコトバひとつひとつが強烈に印象に残っている。合体。。。合体。。。合体。。。
フェイドアウト’、‘メシ喰うな(恒岡と石橋のツインドラム)’、歴史的名曲をたて続けに披露して本編は終了した。石橋英子のドラミングは非常に素晴らしい。恒岡のドラムよりも素晴らしい。バンドのマジックと町田康という男の狂気のせいで俺の存在が頭から打ち消されそうになった。
すぐにアンコールで登場し、締めくくりは‘名前の歌’。中原昌也の名前が2度登場して嬉しくなった。この二人の競演をまたいつか見たい。町田町蔵暴力温泉芸者、‘ミラーマン’つながりだったね、そういえば。

石橋英子というとてつもなく有能なミュージシャンの存在が非常に気になってきた。。。

町田康
1、アイムフル 2、インロウタキン 3、俺はいいやつ 4、うどんだし 
5、遠くの青い海 6、なんか暗いのう 7、なんで 8、うどんの中の世界
9、生きる価値 10、頭が腐る 11、悪いやつ 12、フェイドアウト 13、メシ喰うな

〜eocore〜
14、イスラエル 15、春爛漫 16、名前の歌(順不同)


町田康全歌詩集1977~1997

町田康全歌詩集1977~1997