突然段ボール ニュー・アルバム『D』発売記念ライヴ(Shibuya O-nest)


LIVE:突然段ボール向井秀徳アコースティック&エレクトリック、PANICSMILE


またnestに来てしまった。いろいろ思うことはあるけれど、音質はいいな。今日はインディーズシーンの超ベテランバンド・突然段ボール(結成は1977年!)の新作発売記念ライブ。向井も出るし吉田も出る。豪華な組み合わせに当然のことながら、場内はかなり満杯。



新年初ライブになるパニスマが一番手。ここ最近オムニバスアルバムに提供した曲、『BEST EDUCATION』からの曲、未発表の新曲がほどよくおりまぜられていた。気のせいかもしれないが(PAのおかげかな)普段よりもタイトで引き締まった感のある演奏に聴こえた。二本のギターはどちらも宙を引っ掻くようにシャープで歯切れが良い。4曲くらい披露された新曲はかなりこなれてきていてメリハリがあり、曲それぞれの存在感が増してきたようだ。もともとのPANICSMILEらしい要素、今までは無かった実験的な要素、悪戯っぽくフザけたような精神、多面的な表情が色濃く浮き出ては消え、消えては浮き出る。このバンド特有のリズム遊びは4人で本当に楽しんで演っているようだ。ロックバンドらしい迫力とパニスマならではの不可思議なサウンドが40分強、よし、今年も期待できるな。新譜はいつになるのか。



向井秀徳のソロを挟んで、トリは本日の主役・突然段ボール。ステージ下手側にはコーラス&ダンス要員としておにんこ!の3名、あとは1曲ごとにコーラスで様々なゲストが代わる代わる登場した。吉田肇、石橋英子ECD湯浅学.etc、シーンの先人を敬う心に溢れたフレンドリーで和やかな雰囲気が泣ける。突段をライブで見るのは初めてだけど、普通に良い。歌詞が良い。世界を良く見ている風で、アイロニカルで、しかしイヤミは全くない。私が今まで聴いてきたものの中では町田康に近いかななんて思ったりもした。いろんなことがあったけれど、そのぶん以上に酸いも甘いもを知り尽くした深みのある大人の表現だった。申し訳ないけど若いコにはこのバンドの魅力は解らないかもしれないね。
家に帰ってきてからi-tuneで『D』を購入した。


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