Hot Stuff 30th Anniversary 『Out of Control』 L'ULTIMO presents 上原ひろみ&熊谷和徳(Bunkamura シアターコクーン)


出演:上原ひろみ熊谷和徳


東京JAZZでは見たことはあったけどフルで見るのは初めてになる。もう説明不要、超絶技巧派ピアニスト・上原ひろみと若手タップダンサー・熊谷和徳コクーンで共演なのだ。立ち見も出る客の入り、ふだんの上原のライブより年増めな女性の割合が高いな。序盤から両者想像どおり、期待どおりのパフォーマンスを見せてくれた。


バンド編成の時はガチガチに武装して1ミリの隙もない圧巻の演奏でガシガシ攻めてくる上原ひろみだが、このユニットのときはかなり自然でリラックスした、のびのびとしていて瑞々しいプレイを聴かせてくれるのだ。オスカー・ピーターソンバド・パウエルマイルス・デイビス、etc.、、、モダンジャズの大御所たちが残したスタンダードナンバーをベースとした即興性溢れる音楽のなかで、熊谷は広いステージ上をこちらも水を得た魚のようにいきいきとヴィヴィッドに駆け回ってくれた。額からほとばしる汗がライトに照り映える…。和やかさの中からときおり緊迫感やスリルが垣間見える…。どこまで打ち合わせがされていてどこからが両者のアドリブなのかはわからないがこの空間で生み出される、この瞬間に生み出される、ライブならではで生じる発想や迫力が大きく熱を帯びた状態で客席に届いてくる。両者笑顔を絶やさないけれども、やっていることは本当に真剣そのものだし、そこに見える努力や苦労の形跡は痛々しいほどに深いものだ。

途中それぞれのソロ(‘PLACE TO BE’は胸に染み入る〜!)があったり、まさかこの場で聴けるとは思いもしない曲が演奏されたりして趣向は様々。内容充実。あっという間に本編は終了した。


アンコールでも気迫のパフォーマンス。鮮やかなライティングと麗しいコスチュームがさらに両者を輝かせる。客電が点いてからも鳴り止まなかったダブルアンコールを求める声援はに応えてくれたのはなんと‘SPAIN’!! ここまでやってくれるなんて、Sonicbloomよりもコッチのほうが強力じゃあ……。



上原ひろみ熊谷和徳 ■<第一部>
1、PLACE ST.HENRI 2、BOUNCING WITH BUD 3、ROUND MIDNIGHT 4、HIROMI SOLO
5、PLACE TO BE 6、KAZ SOLO 7、BRAIN<第二部>
8、PHAPSODY IN BLUE


〜encore.1〜
9、GREEN SLEEVES〜I've Got Rhythm


〜encore.2〜
10、SPAIN


LIVE REPORT:Hot Stuff 30th Anniversary【Out of Control】: http://www.red-hot.ne.jp/30th/repo_outofcontrol.php