毛皮族のお気軽軽演劇シリーズ第3弾!!『大好き!!5つ軽演劇ちゃん』・M演目「パンの世界」(リトルモア地下)


作・演出:江本純子

出演:高田郁恵、平野由紀、江本純子、高野ゆらこ、羽鳥名美子、柿丸美智恵


ロングラン上演中!今年はなにかと好調だった毛皮族の軽演劇シリーズ、今日はM演目『パンの世界』を観に行ってきた。土曜日のマチネ、不安になるほど窮屈なリトルモア地下、隣席には太ったオジサン、1時間20分ず〜っと彼の肩と私の肩ががぴったり接触、キモっ!! キツキツさを体験するのも実はこのシリーズを観ることの醍醐味(!?)だったりするのかな?な〜んて思ったりする。


『パンの世界』、物語の舞台は一面雪に閉ざされた蔵王、タイトルどおり製パンメーカーのCM制作やら合併騒動やら社内不倫やらから巻き起こる、これもいかにも毛皮族らしいトンデモな作品。先日みたL演目と同様、ストーリーは明確で展開があり、軽演劇とはいってもなかなか作りこまれており、本公演に近いくらいにしっかりできている。そのうえ江本のどうしようもないギャグセンス(菊タブーを盛り込むとみんな喜ぶのだ)が見事にヒットし観客の笑いをとる場面はかなり多かった。内容濃かった〜。
この演目はもう高田郁恵の存在に尽きるでしょう!トボけたようなキャラと綺麗なルックスを活かしきった爽快な(!?)演技で、女優としての成長をしかと確認できる出世作でしょう!たどたどしさをいい具合に残したままでうまくなっている点が魅力だな〜。
江本のブッ飛んだ演出が功を奏し、他の出演者もそれぞれ持ち味を遺憾なく発揮してくれていてた。チョイ役で出てきた柿丸ばあさんはおいしいところを総取りし、平野はいつもにも増してヒステリックな役(彼女はどうしてこういう役ばかり与えられるのだろう)で劇団内の立ち位置をさらに明確なものへとし、この演目で出るのは今日のみという羽鳥名美子はセリフが少なめでも気の効いた演技を見せてくれていた。飛び道具的な使われ方をした高野も器用にスパークしまくってくれていたし、もう何も言うことナシ。しっかし、ちょっと前まではほんの脇役だった役者たちが確実に力を付けているのが手に取るように伝わってきたな。ヴァリエーションに富んだ女優を抱えた劇団だからこそ表現できた厚みのある軽演劇、インパクト強し。今回は本当に充実しているね。