JUN SKY WALKER(S) 『J(S)W 20Th ANNIVERSARY FINAL "THANK YOU" SPECIAL』 (日比谷野外大音楽堂)


東京ドームでX JAPANを見て、日本武道館筋肉少女帯を見て、復活ブームの極めつけは期間限定で再結成したジュンスカの日比谷野音。バンドブーム伝説の地である。17時スタートということで会場に着いたのは時間ギリギリ、焦った。しっかし、日比谷公園の中はいつも迷うぜー。


生まれて初めて組んだバンド(中学生の時なのだ)で‘Street One Boy’やら‘歩いてゆこう’やら‘アパート’やら‘My Generation’なんかをコピーしたり(させられていたとも言う)、クラスメイトに音源をダビングして貰ったり、輝かしきバンドブームの中で育った身としてはこのバンドはどうしても見逃せない。最後列の座席だったけれどステージまではそんなに遠くもない。伝説の野音、2回のアンコール含めて全部で20曲強か、いろーんなことが頭に浮かんでは消え、消えては浮かんだ。JUN SKY WALKER(S)というのは良くも悪くもバンドブームを象徴するバンドである。




このバンドについて想うとき、ブーム全盛でイケイケだった時期よりも、時代が変わってきて(時代の流れとは関係ないのだろうが)バンドがどうにもこうにも進まなくなった末期の姿が脳裏をよぎる。1997年頃か、たまたまCDTVを見ていたら‘さらば愛しき危険たちよ’を演奏していた。私はそのときにジュンスカが解散するのを知った。
掃いても掃いても捨てきれないほど溢れ返っていたビートパンクのバンドたちがいつの間にか消え、中学の教室の机に「J(S)W」というロゴを丁寧に彫刻刀で彫っていた女の子たちは、高校に入るとフリッパーズ・ギターオリジナル・ラブというこじゃれた音楽に興味を持ち始めた。等身大のストレートなバンドサウンドの需要は激減し、『EXIT』と題されたラストアルバムの売り上げは惨憺たるもの(オリコンのサイトで調べてみると、最高位は40位…)だった。





非情なことに、賞味期限というものがある。活きの良さだとか鮮度が持ち味ならばなおさらだ。時代は変わったし、幸か不幸かそれに伴って私も大人になってしまった。極論をいえば20年前とは別の人間なのかもしれない。そして残念ながら、戦う意志を失ったオジサンたちの同窓会に8000円も払ってつきあってあげるだけのヌルい人間ではなかった。
見たくない姿を見てしまった気分になった。ロックバンドの再結成というのは本当に難しい。無念。