どらの贈物_細胞融合 (SHIBUYA LUSH)


LIVE:五人一首内核の波、Faint in Pain、日比谷カタン


「和」の要素を持つミュージシャンを集めたイベント@渋谷LUSH陰陽座がまだそんなに売れてない頃はこんなライブがさかんに行われていたが、今ではすっかり少なくなってしまったように思う。しばらく見そびれていた倭風プログレデスメタルの重鎮・五人一首は、トリでたっぷり一時間以上演奏した。


リズム隊にメンバーチェンジがあってから、1stアルバムリリース当初のような凄みがなくなってしまったように感じられる五人一首のライブだったが、今日はそんなイメージをガラリと覆す壮絶な音を聴かせてくれた。ドラマーもベーシストも複雑で難しくて長〜い曲をテクニカルに、かつパワフルにしっかりと演奏した。

こうなればこのバンドはもう無敵だ。とめどない起承転結が波のように幾度も押し寄せるドラマチックな楽曲、そして重厚な音圧と耳に気持ちよく引っかかる深いディストーションサウンドはHeavy metalを聴くことの喜びを存分に実感させてくれた。

バンドのブレインである百田の派手なシンセは常に的確なプレイでツボを心得ているし、デス声もハイトーンもシャウトも自由自在に操る能力を持つ松岡のヴォーカルもますます力を増し、このクラスのハコで演るのがもったいないくらいにハイレベルなパフォーマンスだった。

ツインギターのフレーズにしろ、予想に反して突如訪れる変拍子やリズムチェンジにしろ、曲の難易度はきわめて複雑で高度だ。それをキッチリやってのける演奏技術とバンドの表現欲には本当に恐れいる。極限のレベルにまで到達した者だけが味わうことのできる充足感がバンドをさらに良い方向へ導いているのではなかろうか。もうとにかく独特の世界観にたっぷり魅了されてしまった。アンコール(‘経文刻印身体’!)もあってさらに感激。汗びっしょりになって咆哮する松岡の表情はとても美しかった。

間違いなく今年のMyベストアクト!



Naishikyo-Sekai

Naishikyo-Sekai