CLUB GOODMAN 12th ANNIVERSARY PANICSMILE produce 「WE SAY FOGGY! vol.1」(CLUB GOODMAN)


出演:PANICSMILEbloodthirsty butchers、FLUID(京都)


ライブハウス「秋葉原CLUB GOODMAN」、むかーしからの東京の伝統あるハコなんだと思っていたら、まだできて12年だったのか。意外に新しいんだな(笑)。もう何十年も経っているのかと、私は勝手なイメージを作り上げていた。それでもこれだけ色々ある時代で、しかも商売として成立しづらいジャンルで12年も続けられるというのはすごいことなんだと思う。土曜日なせいもあってか場内はなんとな〜くハッピーでおめでたい雰囲気。いまどき珍しいほどに硬派なバンドが3組集まった(今日のブッキングは素晴らしい!)ので7割方は男性客だ。エッジの効いたヘヴィな音を出していた京都のバンドFLUID(1曲しか聴けなかったけどなかなかカッコよかったぞ。また東京に来てね)、我らが道産子・吉村秀樹率いるbloodthirsty butchers(厚みのあるウォームなツインギターと人間臭さで人気のあるベテランバンドだ)に続いて、今日のイベントの企画者であるパニスマがステージに登場した。


自主企画だからといって何も変わることはない、普段どおりのPANICSMILEの姿だ。1曲目はなんと曲タイトルにバンド名の入った‘DON'T FOLLOW your PANICSMILE’!吉田肇が歌う曲を中心とした最近の王道セットリストだ。プレイは今日もこのバンドらしくきわめて不規則で変態的で、本当の意味で何物にも縛られていない。とにかく自由だ。自由であることにもう必死だ。本来自由のはずだったロックミュージックがいつの間にかスタイルやジャンルに括られて身動きが取れなくなってしまっている現状において、このバンドの常識を突き破るようなリズムやコードワークとアイロニカルな歌詞はとても新鮮なのだ。破天荒なのにアレンジは緻密で、どの曲も完成度は高い。‘Pop Song ’、‘So Close’、‘Goodbye’、比較的解りやすめな『BEST EDUCATION』(最新アルバム)からの曲は特に観客からのウケが良いようである。‘Rabid Dog Bite’や‘POOR MOON’のようなヤリ過ぎハチャメチャチューンも爽快だ。和やかな雰囲気と質の良い音響のおかげも加わって、期待通りに楽しむことができた。しっかりリハをして何気に丁寧に演奏して、音楽に真摯に取り組む姿勢も頼もしい。
アンコールではおめでたい発表があり新譜から‘Wedding Present’を披露。この曲もヤリ過ぎちゃってるけど、耳をつんざくノイズと拍の取れない変則リズムが心地よい。
私がこのバンドのライブに足を運ぶようになってからまだ2年も経っていないが、ここ1年くらいの彼らのサウンドの凄みには毎回圧巻される。このバンドを見たあとはいつも、なんだか自分だけが他人よりもちょっとトクをした気になる(笑)。



アンダーグラウンド・ロックシーンの現在:吉田肇インタビュー(CINRA.NET):http://www.cinra.net/special/vol31/yoshida_1.html