ENBU☆フェスタ! ENBUゼミナール2007年度春期演劇コース劇場公演 江本純子クラス『エロエロ大作戦』(笹塚ファクトリー)

作・演出:江本純子毛皮族

出演:ENBUゼミナール2007年春期演劇コース・江本純子クラスの皆様
    江本純子、羽鳥名美子、高野ゆらこ、高田郁恵(毛皮族


演劇の専門学校の卒業公演を観に行ってきた。詳しくないんだけどもっちんだとか、植木夏十NYLON100℃)だとか、日下部そう(イキウメ)なんかを演劇の世界に送り出したトコロらしい。そこの江本純子クラスの作品。高い授業料を払って学校に通って、若き日の大切な時間を費やして、講師が江本純子wwwww、ってのはいいのかな(笑)。でも望んで入学したそんな彼らのジュンリー仕込みの演技に私は興味があったからこそ会場に足を運んだのだ。演目は毛皮族がむかし演ったらしい『エロエロ大作戦』、さて、こんなの演らせちゃって大丈夫なのか。


二十歳前後くらいの女子十数名がいかにも江本な脚本・演出の、毛皮族のコピーのような芝居をしていたというわけだ。ハチャメチャでドタバタでハレンチ(まさか、でもやっぱりな(★ ★)ありでした。アセ。)で、ヅカやら映画「風と共に去りぬ」やらのパロディの盛り込まれたものである。
こういう基本に忠実じゃないモノほど難しいのだろうか、当たり前だけど、普段私が観ている小劇場系の劇団の俳優とは想像以上に力の差があった。定期的に公演を行う名の通った劇団で舞台に立つ役者のすごさ(そんなことは今まで考えたこともなかった)が身に染みるほどだった。二人でセリフがカブったり、早口すぎだったりする場面が多々みられ、セリフの全体の四分の一くらいは何を言っているのか分からなかった。


が、しかし、舞台に立った女子を中心としたゼミ生に江本スピリットがしっかり注入されているというか、完全に開き直ってやってやろうという意気込みが感じられて、つまんなかったけど面白かった芝居だった。そういう面、組織をまとめ上げて統率する力においては、江本先生ってスゲーな。皆さん演じることを楽しんで、1000円払って観に来た観客を楽しませて帰そうという気概がはっきり伝わってきて嬉しかった。顔の綺麗な主演のコ(中山美穂のデビュー曲‘C’を歌うシーンが可愛かった)、信金の頭取の娘を演じたスグリフミエみたいな顔をしたコ、ヤンキースの赤い帽子を被った麗子像みたいにぽちゃっとしたコ、これらの生徒は(演技は下手だったけど)特に表情が常に活き活きしていて若さゆえの特権を瑞々しく発揮していて羨ましいくらいだった。終盤ストーリーを端折るような感じで終わっちゃったのはちょっと残念だけど、今日観た女優の卵といつかどこかの劇場で再会する日が来ることを考えたりしたら、ゾクッとする。観ている時はけっこう眠かったけど、終演後はふしぎな満足感があった。


毛皮族の4名はHIPHOPっぽいスポーティーな格好で、第一部と第二部の幕間でいきなり登場した。羽鳥がhiro、高野がエリコ、高田が多香子、江本がヒトエの役だったのかな? SPEEDのパロディー‘Kiwi Love’を踊ってくれた。芝居の進行とはまったく無関係だったのがいい感じで清涼感を醸しだ出していたかも。劇団の綺麗ドコロを選りすぐっての飛び入り出演、時間は短かったけど強烈なインパクトを残して去っていった。長くて綺麗な黒髪をなびかせていた高野嬢のダンスは美しくてカッコよくて、いい感じでパロってて、毎回書いてるけど今日もマジでドキッとさせられちゃったぜー。表情と眼差しの鋭さにやられた。次回の毛皮の公演は主演でもいいな(笑)。


出てきたみなさん、本当に楽しそうで、活力を貰いやした。ありがとうございます!




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