参道の通り魔 弐拾参(表参道FAB)


出演:犬神サーカス団、ストロベリーソングオーケストラ、五人一首、Angelique

司会:最鋭輝


犬神さんの企画に五人一首が出るので見てきた。久しぶりだなぁと思って振り返ってみると2ndアルバム『内視鏡世界』のレコ発ライブ以来ナマの彼らの音を聴いてなかったことが判明した。いかんいかん。ライブを演る回数自体の少ないバンドだから見れる時に見ておかないとダメだな。
開場時刻をちょっと過ぎてFABに辿り着いたら犬神凶子がらしくない格好でらしくない歌(アニメソングのようだった)を歌っていた。隣でキーボードを弾いてるのは五人一首の百田ではないか。なんだこりゃ???


そのヘンな(?)バンドの次に五人一首が登場した。相も変わらずこってりした和装に身を包んだメンバー五人。この飄々とした面持ちからトンでもない曲、奇怪な音が聴けると思うとワクワクだ。以前見たときとベーシスト&ドラマーが変わっていた。前のドラマーはかなり上手かったのにな。
いつも演るインスト曲からスタート。音圧が微妙に足りなくてちょっと物足りない感じもしたがクドすぎるほどの曲展開やアレンジの練りまくり具合は十分にこのバンドらしさが出ていたので満足。テクニカルでプログレッシヴでスリリングでオドロオドロしていて緩急自在でボリュームもたっぷり。もっとデスメタルの要素が濃かったイメージがあったが今日はそうでもない。‘月と半魚人’で丁寧に歌い上げる松岡あの字のボーカルがメチャクチャ上手くて驚いちゃったぜ。いとも簡単そうにハイトーンでもシャウトでも自由自在に己の声を操っていた。すげえ、、、ゴクリ……。こんなに正確に歌える人だったっけ?顔の表情の作り方もおもしろいね。
テンポチェンジや変拍子もバンド一体となっててお手のもの。そして音の洪水から浮かび上がって来るようなオブリガードだとかトリッキーなフレーズだとか、忍者のような服装の高橋史男はギタープレイまでも忍者のようであった。音がちょっと小さかったせいか百田に覇気がなかったようにも見えたが、やっぱりこのバンドのここまでの濃さと緻密さはスゴいと思う。
無駄に曲が長いとかただ複雑だっていうんじゃなくて、バンド全体でアレンジを練りに練ってたっぷり聴きドコロを作ってくれる希少な集団なので、とても大変なのだろうが精力的な活動に期待したい。


内視鏡世界

内視鏡世界