祝!大槻ケンヂ・デビューカウントダウンツアーシリーズ 第一弾!アンプラグド・セッション(吉祥寺Star Pine's Cafe)


大槻ケンヂ・アンプラグドセッション大槻ケンヂ(Vo)、長井ちえ(Ag,Vo)、宮脇てつや(Ag)、朝倉真司(Per)


お祝いオープニングアクト:Be.


いつのまにかもう2008年、そして大槻ケンヂは今年の6月でデビューして20年になる。カウントダウンツアーシリーズと題されたライブの第一弾、気づいてみればこの編成での彼のライブを見るのは初めてだった。長いキャリアのうちに残してきた数々の曲の中から予想もしないようなのが色々聴けたらいいなという密かな期待が沸いてくる。筋少や特撮のライブに向かうのとはやや異なる心情が我ながら面白い気がした。


実力派アコースティック・ギターデュオ「Be.」がオープニングアクトでまず30分、爽やかなパフォーマンスと器用なプレイでかなりいい感じだった。若いくせして演奏はメチャクチャ巧いしルックスも良い。ギター2本とパーカッションだけでここまで演れるなんてこりゃスゴいヤツらが出てきたもんだ。オーケンが可愛がるのもわかる気がする。


それから本日の真打ち大槻ケンヂの登場。着席スタイルのキレイな会場、まったり聴くには席がギュウギュウ過ぎたけどまあいいか。いきなり銀杏BOYZ(峯田氏は映画『グミ・チョコレート・パイン』にチョイ役で出演)のカヴァーで肩透かし。続いてはこのアコースティックスタイル時の定番曲を続々と演奏。歌の下手さは相変わらずだったが、心がたっぷりこもっていたのでOKだ。声を張り上げすぎないように歌うと何度も話していたように、唱法にかなり気を使っていたように見えた。アタック感の強い2本のアコギとの相性は◎。


中盤からが今日のライブのキモだ。特撮の超名曲‘パティー・サワディー’、筋肉少女帯の復活作から‘その後 or 続き’、特撮の名バラード‘ロコ!思うままに’、ほじくればほじくるほど出てくる珠玉の名曲の数々に早くもしんみりときた。うっとりしたー!今までの彼のキャリアからだと激しい曲を演るアーティストであるイメージがどうしても強いが、しっとり歌い上げてじっくり聴かせる曲もこんなにあったのかと普通に驚いてしまった。聴きたかった必殺ラブバラード‘僕の歌を総て君にやる’、最近なかなか聴く機会のない‘Sweets’、‘テレパシー’、こういうシンプルな布陣で聴くと詩とメロディの美しさがより際立って曲の世界にただひたすら酔いしれた。MCも好調でデビュー20周年に向けて今年も意気揚々と活動していこうとする姿勢がハッキリと感じ取れた。全18曲中、特撮の曲が5曲も(しかも代表曲でない曲)聴けたのが個人的にはありがたかった。それになによりこの人はなによりも歌を歌うことが好きなんだと伝わってきたのが嬉しいよ!


アンコールではBe.を交えてのセッション。去年見た筋肉少女帯のライブよりもずーっと聴きごたえがある。男性客があまりにも少なかったのが残念、この手のライブも頻繁ではないが定期的に行われているのでファンの方はもっと目を(耳を)向けなければもったいないと思ったし、これを生で聴いちゃった自分は新年早々超ラッキーである。大ベテランミュージシャン・オーケンからの嬉しいお年玉であった。

大槻ケンヂ アンプラグドセッション

1.BABY BABY 2.あのさぁ 3.青ヒゲの兄弟の店 4.サボテンとバントライン 5.パティー・サワディー
6.空想ルンバ 7.その後 or 続き 8.ロコ!思うままに 9.タンゴ 10.僕の歌を総て君にやる
11.猫のリンナ 12.Sweets 13.テレパシー  14.香菜、頭をよくしてあげよう

〜encore〜
15.シーサイド美術館 16.人として軸がぶれている(with Be.)  17.Guru(with Be.)
18.オンリー・ユー


プライベート・アンプラグド

プライベート・アンプラグド