麻布die pratze最終公演 Dr.エクアドル×ロリータ男爵 『犬ストーンversion.Drエクアドル』(麻布die pratze)

作:田辺茂範
演出:Dr.エクアドルゴキブリコンビナート
出演:大佐藤崇 斉藤マリ 役者松尾マリヲ 加瀬澤拓未 丹野晶子 草野イニ 斉藤麻耶 福屋吉史
    Dr.エクアドル スピロ平太  オマンサタバサ ワッシャー木村 本間幸子 佐々木幸子(野鳩
    若人あきこ 病気マン 森知行 清水俊樹 津久井亜以


今年いっぱいで閉館という麻布die pratze。そこの最終公演としてDr.エクアドルロリータ男爵の共作舞台、すんごい組み合わせである。コワー!!Drエクアドルお得意の奇抜なステージセットからまずインパクト絶大!よく公園なんかにある地球儀の下半分を鉄筋で組んだような半球状のモノが会場中央に大きく大きく設営されていた。地球儀の中は普通に舞台のような床がある。地球儀に登ったり乗っかったりしながらここで演技をするのだろう。まさか、体ごと落ちてこないよな!?


犬になりたいという願望を抱く若者(警察官の格好をしているがおもちゃ屋の息子だった)と、その成就を邪魔しようとする者たち、「犬ストーン」という石を四つ集めて丘に登れば犬になれるというが、その結末は……。


イヤっーーーー!!!やっぱしDrエクが演出をやればスンゴいことになるな。シニカルでブラックで、エロ、グロと容赦ない。演出だけでなく、音楽も素晴らしかったし、舞台美術や出演者もゴキブリコンビナート色が強かった。オマンサタバサ、スピロ平太、病気マン、本間幸子、、、ヤツらの存在感の濃さだけでもう嬉しくなってくる。体を張ったパワフルな演技、突き抜けるような開き直りっぷり、彼らの堂々たる演技はいつ観ても爽快だし、チームワークの良さが伝わってくるのが楽しい。ロリータ男爵勢では丹野晶子の奇演が光っていた。

もちろん物語自体も面白かったぞ。願望が成就してハッピーエンドと思いきやどうしようもないトホホなオチ……、起承転結があってさらにその後があって、ほどよくラブロマンス、長くてもまったく飽きなかった。



ゲテモノ度もアングラ度も満点(服が汚れる要素が少なかったのは救いだ)、2時間30分という長時間、目の離す隙のないドキドキ感を存分に堪能することができた。田辺氏とDrエクの並々ならぬエンターテイナーぶりに感服だ。帰り際にゴキコンの『アンドロゲンレインボー』のDVDを購入してホクホク。