平田オリザ『演劇入門』


演劇入門 (講談社現代新書)

演劇入門 (講談社現代新書)


演劇関係の新書に手を出してみた。有名な作品なのかもしれない、青年団主宰の平田オリザの書いたモノだ。演劇という枠のなかでのリアル・非リアルとは何かということに焦点を当てて彼自身の演劇論を唱えている。文章は簡潔、論旨や構成が明確で、タイトルどおりに私のような初心者にはうってつけの分かりやすい本であった。


いかにして無から有を生み出すのか、戯曲の書き始めから上演に至るまで、平田自身の作風を紐解くように書かれている。小説ともテレビドラマとも違う、‘演劇’としての醍醐味をいかに見せるか、眼前に存在する生身の観客とどう対峙するか、きわめて興味深い内容で平田の描く戯曲・青年団という劇団にも関心が沸いてきた。



たしかに、演劇を観ていてリアル・非リアルなセリフ・演出に直面することは多々あるのだが、そういった場合にこの本で述べられている注意点や論法なんかを思い出したら面白いのかもしれない。


演劇ファンならずとも、超オススメー!