東浩紀 『動物化するポストモダン』


動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)


恥ずかしながら読んでおりませんでした。オタク社会学のバイブル、ブックオフで見つけたので買ってみた。


90年代中盤頃から聖地・秋葉原を中心に一気に隆盛したアニメ、ギャルゲー、同人誌等の所謂‘オタク文化’発生の過程とその民族的性質・行動心理について、歴史的な流れや具体的なサンプル・モデルを用いて体系的に説明されている。この手の新書としては分かりやすく読みやすい部類に入るだろう。
世界的なポストモダンの流れから21世紀の秋葉原までが、綿密な調査と冷静な広い視野をもってひとつひとつ紐解くように解析されている。決して必要以上にオタクが擁護されているわけではなく、あくまで時代的な流れで、世情を反映した結果としてたどり着いた結果の文化であると納得できる。
多数派ではないがもう少数派でもない‘オタク’、これからまだまだ先があるだろうし、現状からどこへ流れていくかが非常に気になってくる。続編も読んでみたくなってきた。