『E/G - EGO GEOMETRIA』東野祥子ソロダンス+ミュージシャンズ 演奏:中原昌也(ザムザ阿佐ヶ谷)

構成・演出・ダンス:東野祥子

演奏:中原昌也


いやー、まさか自分がダンスの公演を観に行くとは昔だったら考えられんことだ。ってことで前衛ダンサー・東野祥子がノイズミュージシャン・中原昌也を従えての実験的ライブだ。どんなものなのか予備知識全くナシでこういうのに臨むのがなかなか楽しかったりもするw。会場はあの阿佐ヶ谷のラピュタビル、間近で建物を見るのは初めてだが、なぜか意外に周囲の住宅郡と調和しているように思えた。ミヤザキハヤオはどう思っているのだろう?


入場してみるともう人はギッシリ。土禁の小屋なんて初めてだー。10分強ほど押して開演。中原のやや抑え気味なノイズに乗って全身タイツに身を包んだ東野がアヴァンギャルドかつ妖艶な動作でゆっくりとステージを行ったりきたり。時間が経つごとにちょとずつノイズが激しくなってゆき、それにつれてダンスにも熱と力が入ってくるという展開だ。
使用機材や表現技法によるものなのか、それとももしかしたら彼独特の親しみやすい人間性が所以なのかもしれないが、耳をつんざくような中原のノイズは言葉では説明できない不思議な分かりやすさと温かさを兼ね備えている。それはダンスという生身の肉体の動きのみで表現される芸術に自然とマッチする。もともとこの二人のユニットでずっと活動していたかのように不自然さというものが全くない。
中盤になって盛り上がってくるますます両者の良さが露わになってくる。面白くなってきたぞ。東野は全身タイツを脱ぎ捨てセクシーな衣装で汗びっしょりになってヴォルテージ全開で踊り狂っていた。中原のノイズもボリュームはMAXだ!それだけでなくライティング(照明)もすごく面白いことをやってくれた。ステージの床に奇妙なラインやイタズラ描きのような絵を描いたり混沌とした世界観をますます深いものにしてくれた。
エンディングになって少しずつクールダウンするように、熱気の中から抜け出るかのように、序盤のゆったりとした調子に戻っていった。1時間強ビッシリの濃いSHOW、幅広い表現力でいろんなことを魅せてくれたように思う。こういう絶妙なコラボレーションはなかなか無いかもしれないが、また演るようなことがあるのならば、ぜひ観に行きたい!



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