ピチチ5第五回公演『吐くな!飲み込め!甦れ!』(下北沢駅前劇場)

脚本・演出:福原充則
出演 植田裕一(蜜)、碓井清喜、オマンサタバサ(ゴキブリコンビナート)、竹井亮介(親族代表)
    中西広和(温泉きのこ)、三浦竜一、三土幸敏(くねくねし)、吉見匡雄
    山下純(こどもとあそぶ)、大西智子(あなざーわーくす)


先日のゴキコン本公演でやっぱしオマンサタバサは名俳優だと確信したので彼が出演するこの作品を観ることにした。しかもなかなかマニア受けするような評判の良い劇団の公演なので期待度UPだ。んん??主宰の福原氏ってスガ死顔じゃねーかっ!!



4つの短編をオムニバス形式で並べた軽演劇であった。社会の底辺でつまらない人生をダラダラ生きざるをえない者のお話であることは4話すべてに共通する。そういう人々のどうしようもなさ、どうあがいてもどこにも辿り着かない様なんかを笑いを含めてシニカルに表現するという、これぞ駅前劇場というチープな聖地にふさわしい力の抜け具合が適度に心地よかった。ゴキコンのような恐怖感がなくてもこれはこれで底辺人間の悲哀や滑稽さを上手い具合に表現できていたと思う。4話のなかでも労働者3名が登場して、彼女ができた!→SEX!→出産!について悩む『俺よ、さらば』と、奇怪な巨大自転車装置が客席眼前まで迫ってきた『独裁ミー!』が面白かったかな。
少女から主婦まで、4話中3話で見事にキャラを使い分けた大西智子は小劇場役者ならではの優秀さを発揮していた。オマンサももちろんカッコよかった!


観た後のなんともいえない感じ(結局どこへも抜け出られない感じ?)が微妙に心をくすぐってくる…。


なにをやらかしたのか松葉杖をついた遠藤留奈が客席にいた。そしてこちらもなぜか普通にお客さんだった中山祐一朗、こいうい普段っぽい姿を遠目に見るのも面白いな。