毛皮族の軽演劇『初夏の軽演劇@リトルモア地下』演目F ・『四姉妹』(リトルモア地下)


作・演出:江本純子
出演:羽鳥名美子、江本純子町田マリー、高野ゆらこ

江本、町田、羽鳥、高野、いわゆる「トップ4」が揃って出演するこの演目。今回の4つの演目のなかで一番好評なようだ。毛皮族の底力・真骨頂が遺憾なくアピールされた爽快な作品、かなり楽しめた。
どうやら江本純子チェーホフの作品を読んだことがないクセに『三人姉妹』をパロったものを作ってしまおうという魂胆で創作されたらしい。なのでタイトル以外はチェーホフと全く無関係なモノなのだろう(笑)。登場する4名はモスクワから千葉に引越してきた姉妹という設定だ。
あまりにもなクダらなさが満載である。モノマネ、時事ネタ、シモネタ、そしてアドリブを大胆に含んだどうしようもない内容で、笑う場面は多かったが何がオカしくて笑ったのかは終演後には全て忘れてしまっているほどでにチープあった。だがそれがいいのだ。だから私は毛皮族が好きなのだ。4名のぶっ飛んだ個性は序盤から大爆発!やっぱり町田マリー毛皮族で見るときが一番輝いている。パジャマ姿はとても可愛らしかった。そしてこの4名の中で一番若い高野ゆらこが着実に女優としての力を付けつつあるように感じられた。今回の軽演劇では江本・町田に勝るとも劣らない頼もしい存在に思えた。毛皮族の中でいま一番注目に値する役者と言っても過言ではないだろう。
こういうのがあっさりと出来ちゃってしっかり楽しませてくれるとは、やっぱり江本はすごいなぁと思う。4名が川の字!?で寝る場面には微笑ましく、心が温まった。本公演で観られる毛皮族とはちょっぴり違うけれども、しっかり彼女らの素晴らしさが1時間に凝縮されていた。