ポツドール＋三鷹芸術文化センターPRESENTS 太宰治作品をモチーフにした演劇第４回 『人間♥失格』（三鷹市芸術文化センター 星のホール）
脚本・演出：三浦大輔
太宰治は三鷹に住んでて墓も三鷹の禅輪寺にあるのか。青森のイメージが強いのでこんなこと知らなかった。ということで、太宰治の『人間失格』をモチーフにしたポツドールの最新公演。
この劇団は平均点が高い、いつ観てもハズレがない、いつもそれなり以上の良作で観る者を震わせてくれる。そのうえ創作のペースが速くて立て続けるように公演を重ねてくれるのだ。これってなかなかスゴいコトだと思う。もちろん今回もいや〜な感じのセックスとバイオレンスが盛り込まれていて、BGMは岡村靖幸だ。SEX。
25歳、小汚い安アパートに住む一人暮らしのアルバイター（といってもバイトは欠勤続き）の男が伝言ダイヤルで知り合った女と実際に遭ってみる約束をしたことから始まるくら〜い感じの物語だ。人間のどうしようもない下劣さをいかにも三浦大輔なやり方で表現した今回も後味の悪い作品で、主人公の携帯には次々と電話がかかってきて予期せぬ悲惨なコトに巻き込まれていく。。とにかく部屋に一人の彼が携帯でボソボソ喋っているシーンが多い。
怖いお兄さんにカネを巻き上げられたり、友達から借金の返済を迫られたりと、ただでさえ貧乏なフリーターに次々とカネのピンチが迫り来る。そこで助けになるのはお母ーちゃん♪米村があれだけ怒声を効かせて主人公を脅したあとに、のんびりした母親の声が固定電話から聞こえてくるのがオカシイ。
働かないがゆえに貧乏、それを取り繕うために人を騙したりウソをついたりしちゃって自らの信用をを貶めることになる蟻地獄。世間一般の人には十分ありうる話かもしれない。おまけにそこにやり場のない性欲が絡んでくるから手に負えないことになる。
