ROCK'N ROLL WONDER WORLD!(CLUB LINER)


出演:ネズミハナビ、tokyo pinsalocks、つるうちはな、ヒツジツキ(大阪)、DUGOUT


久しぶりにtokyo pinsalocksを見に行ってきた。行こう行こうと思いながらも去年の11月以来だから半年以上もご無沙汰になっていた。この4月にMaxi Single『プルトニウム EP』をリリースし、今の路線もすっかり板についてきた彼女らである。相も変わらず積極的な創作意欲を堅持しつづけ、どうやらMaxiからの曲以外に音源化されていない新曲も演っているようなのでどんなものなのか楽しみにしながら高円寺のCLUB LINERに入った。


4番目に出てきたピンサロックス、ライブは‘リズム’で始まり、まず前半に未発表の新曲を演り、後半はMaxiからの曲で固めてきた。贅肉をそぎ落としたようなやや引き締まった質感の、少年ナイフのように遊び心のあるポップでややサイケデリックな可愛らしい楽曲群はピコピコはしていてもライブならでは人間味で溢れていた。あいかわらずアレンジの練りやプレイの的確さにはつい唸って聴き入ってしまうものがある。
やっぱりこのバンドはまずレイコのドラミングに耳が行ってしまう。アクセントの置き方やオカズの入ってくるタイミングに特徴があり、そんな特徴はしっかり楽曲を盛り立てるのに機能していた。日本人で一番好きなドラマーだ。それに対してヒサヨのBASSプレイは以前よりもかなりスタイリッシュに、シンプルなラインで表現できる可能性を追求するように、スマートになってきていた。そんなリズムセクションに乗っかるナオコの声を聴くと、結局この人が歌えばpinsalocksになってしまうものだなと思ってしまう。電子音と対を成すかのように親しみやすく人間味に溢れた声質と東京で生活する生身の女の子らしい言葉が散りばめられた歌詞には、メンバーが4人だった頃から変わらぬ一貫したバンドのビジョンが伺えるような気がした。
今日のライブのハイライトはMaxiにも収録されている‘プルトニウム07’と‘Quiet’だ。バンドの緻密さと演奏技術、しっかりした主張があるからこそそこから沸き立ってきたかのようなアイディア、熱心に音楽に挑む姿勢、彼女らの良い面ばかりが確実に音に反映されていたのだ。この狭いハコのレベルだけでなくもっと多くの人に聴いてもらえるようになってもらいたい。私ももっとライブに足を運ぶようにしよう。


■ tokyo pinsalocks ■

1、リズム、2、ideal cosmo 3、Ajito 4、POWER SYSTEM 5、SAUCE OF LUNCH
6、プルトニウム07 7、Quiet 8、so far, so fine


プルトニウム EP

プルトニウム EP