デーモン小暮閣下 『DEMON'S ROCK TOUR』（LIQUIDROOM Ebisu）

Member：デーモン小暮閣下(Vo)、雷電湯澤(Dr)、松崎雄一(Key)、石垣愛(G)、原田喧太(G)、大桃俊樹(B)

80年代ガールポップのカバーアルバムをリリースしたばかりのデーモン小暮閣下がROCKのライブを演るということなので真っ先にチケットを取り参戦することにした。和風楽器とのコラボイベント『邦楽維新』やミュージカル『シンデレラ・ストーリー』等、姿を拝む機会はあったのだが、普通に本業のライブとなると本当に久しぶりのことではないか。東京2DAYSの初日、リキッドルームは超満員、懐かしきメイク信者の姿もチラホラ見かけた。

『好色萬声男(こうしょく よろずこえおとこ)』、『DEMON AS BAD MAN』、『ASTRODYNAMICS』、『[SYMPHONIA』、『WHEN THE FUTURE LOVES THE PAST~未来が過去を愛するとき~』、閣下が過去にリリースした作品はどれも名曲揃いで奥の深い聴き応えのある曲ばかりである。そんな名曲の数々をこのままお蔵入りさせてしまうのは非常にもったいないことで、こういった生で聴く機会が生まれることは嬉しいことこの上ない。そのうえバックバンドのメンバーももうお馴染みの凄腕ばかりだ。否が応でも期待が膨らむ。開演がやや遅れたものの、ワクワクが増していく雰囲気のフロアで待つことは少しも苦痛に感じなかった。

『GIRLS’ROCK』からの懐かしきカバー曲と、過去のソロアルバムからの名曲群と、皮肉たっぷりな個性的なMCとを適度に織り交ぜライブは進行していった。カバーは今でも十分聴ける歌の良さをそのまま生かしたアレンジで、女性ボーカルフリークだった私としては、昔はこういうのをよく聴いていたなぁと感慨にふけりながら聴き入った。。。それよりもスゴかったのはやはり、やはり過去のソロ曲である。聖飢魔II解散後のソロアルバムは特にスゴイのだ！聴き覚えのあるイントロが始まり、それから閣下が歌いだしたとたんになんともいい難い震えが体を覆っていく。閣下ご自身も言ってたとおり歌に関しては絶好調で、声の伸び、艶、ピッチの正確さ・安定性、声量の豊かさ、非の打ちどころがない。こんなにスゴいロックボーカリストがたまにしかライブを演らないというのは非常にもったいないことだ。聴きたかった曲もたいていは演ってもらえて満足できた。ってか聖飢魔II後期よりも今の閣下のほうがずーっとスゴいシンガーだよ！！
雷電、松崎、大桃、石垣といういつものラインナップに今回は原田喧太が加わりバンドもさらに凄みが増した。雷電湯澤はこういうストレートなロックをプレイするととてもスゴいのはご存知のとおり。ツインギターになったことで音に厚みも増したし、ソロの弾き分けにも面白みが出た。この6人でコンスタントに音楽活動を続けていけば最高なのだが。。。いつになるのかは分からないが少なくとも次のオリジナルアルバムのリリースを期待したい。
聖飢魔II初期のあんな夜や中期のファンクチューンまで飛び出し、アンコールでは予想だにしないあんなアブない（←80年代語です）曲のカバー、内容ギッシリ見どころさらにギッシリ、感動はもっとギッシリ、、、地球デビュー22年のベテランらしいこういう胸に迫るパフォーマンスをまだまだ魅せることのできるデーモン閣下、中学生のときから聴いているが、本当にスゴイ！！

GIRLS’ROCK(DVD付)