The May Disease Cure”from vintage(VINTAGE的 5月病治療法) (下北沢440)

出演:石橋英子×アチコ/ミンガス/前田栄達


五月病治療法というイベントタイトルを見るまでそういえばもう5月なのだということをすっかり忘れていることに気がつきた。まさにGWボケというヤツだ。連休中には何月なのかを考える必要もなかったのである。まあ私は一年中五月病のような人間なのだから改めて五月が来ようとも五月が去って六月になろうとも病気は治らないのだ。ただ、このライブを観てちょっとはラク〜な気持ちになれるといいのかなと思った。


入場するとすでにミンガスの演奏が始まっていた。女性ピアノボーカル、ベースとドラム(男性)という布陣でなかなか凝った面白いプレイをしていた。歌は飄々としてつかみどころがなく、上手いのか上手くないのか、日本語なのか外国語なのか、よく分からない一風変わった不思議ちゃんシンガーであったが、インストパートで激しくぶつかり合うリズムセクションはとてもカッコよかった。
続いては前田栄達。エレクトリック・ギュイーンズというバンドで活動している人らしい。女性ピアニスト一名を従えてのアコギ弾き語り。歌メロの作り方や曲の盛り上げ方など素朴なようでけっこう練りこまれていてなかなか良いミュージシャンだった。CDを買おうかなとも思ったが財政難により断念。機会があればもう一回聴いてみたいと思った。



トリで登場したのは石橋英子×アチコ。来てよかった、今日はエレピではなく生ピアノでのライブだ。会場の作りのせいなのかPAの技術のおかげなのか、アチコ(Vo)の声も石橋英子のピアノの音もいい感じで響き渡り、こういうアコースティック向けの会場で見るべきアーティストなのかなと思った。‘LOLA&SODA’のイントロのスリリングなピアノプレイには鳥肌が立ったぞ。タッチの味わいやダイナミクスの微妙なニュアンスなんかがきっちりスピーカーから聴き取ることができた。アチコも今日は特に好調のようで声が響く響く。ゆったりした曲調にマッチした声の膨らませ方はとても魅力的で誰もが黙って聴き入ってしまうほど強烈な能力を遺憾なく発揮していた。全11曲、生ピアノの特性を生かしたこんな良い音で、いままでにないたくさんの曲を聴くことができた。これまで4回見た中で今日のライブがマイベストだ。‘私のお気に入りじゃないもの’、‘犬のうっとりさん’、フックのある佳曲は何度聴いても素晴らしい!柔らかく、ちょっぴり厭世的な世界にどっぷり身を委ねることができたことはとても幸せである。なんとアンコールまであって大満足♪


石橋英子×アチコ

1、トゥララ 2、LOLA&SODA 3、Apartment 4、赤とんぼ 5、大人になれば
6、私のお気に入りじゃないもの 7、犬のうっとりさん 8、かくしごと 
9、新曲 10、春と小石

〜encore〜
11、のこされし者のうた

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