知恵の輪 presents “人格破壊シアターvol.6”(Shibuya O-nest)

出演:知恵の輪/PANICSMILE/nhhmbase/大文字(ホッピー神山/ナスノミツル/吉田達也)/DJ:Riow Arai


すっかりマイブームになってしまったPANICSMILEのライブを今日も見てきた。オーネストはステージが高いぶん見やすくて、そのうえ音もクリアで個人的に大好きなハコだ。nhhmbaseに続いて2番手でパニスマが登場した。
前回見たとき同様、彼ららしい混沌としたオープニングであった。サウンドチェックなのかフリーインプロビゼーションなのかわからないような音の洪水がややしばらく続く…。ツインギターは鼓膜を突き破るほどにノイジーで、複雑なリズムにはなんとも形容し難い酩酊感がある。保田憲一(B)の使用するプレベは今日もミニサイズで、石橋英子(Dr,Fl,Vo)はフルートを吹きながらドラムを叩くという何気に粋な曲芸を披露していた。そんなカオス状態から曲に突入、ノイズと変拍子の応酬に吉田肇(Vo,G)の芯のある声はなぜかうまくマッチする。音の密度は濃いが、ハードコアのように必要以上にムサ苦しくない彼らの音が好きだ。フライングVを構えたジェイソン・シャルトン(G)の奏でる変態単音フレーズは耳から離れなくなるほど印象的で、石橋のドラミングはライブが進むほど複雑さに拍車がかかっていった。前半は吉田が男らしい声でがなり歌う曲が中心で、後半は石橋が透き通った声で歌う曲が中心になるようにセットリストが組まれていた。これだけ対照的なボーカルを使い分けて、うまく役割を分担できるというのは強い。
中盤以降は特にPANICSMILEらしい濃密で、複雑で、意味不明なのにどういうわけか魅力的な楽曲が続いた。プレイヤーとしての力量もバッチリで、随所でみられるキメやテンポチェンジもキレイにキマっていた。大人しそうな風貌の石橋のドラムはとにかく凄い。彼らは普段どういう練習をしてこんな音を作り上げているのだろうか。
5月には『BEST EDUCATION』という新作が発表されるという。ますますハマってしまいそうだ。