『hon-nin vol.00』創刊!



太田出版から粋な小説とマンガをズラリと載せたすごい雑誌が創刊された。しかもなんと松尾スズキがスーパーバイザーを務めているというのだ。創刊号なせいかどうかわからないがモロに松尾スズキ的な人脈な書き手がズラリと並ぶ。彼のブログによると今一番売れてる文芸誌らしい。松尾と宮藤官九郎の対談に始まって、吉田豪と荻野目慶子(不思議な人生を送っている人だw)の対談、ビートたけしオールナイトニッポン第1回放送(よくこんなの放送できたなw)を文字起こししたり、サブカル漫画家たちの普通じゃない興味深い作品も掲載されている。




そんななかでも私の一番のお目当ては本谷有希子の半自伝的小説『改めて!ほんたにちゃん』だ。彼女が19歳の時に初めて書いた小説に手直しを加えたものである。今まで発表された作品と比べると描写が意外に演劇っぽくないのは初めて書いた小説だからか。石川県から上京してきて親から仕送りを貰いながら写真学校に通う自意識過剰極まりない女子の奮闘ぶりは否が応でも‘本谷有希子hon-nin’を連想させる。学校で自分のキャラ作りについてアレコレ苦慮する様子は他の作品とも通ずるものがあり本谷臭がプンプンだ。生活の中の何気ないことを面白く描くのは昔からお得意だったようで、わずか数ページの中にどうでもいいけどクスッと笑える場面のオンパレード(笑)。処女作にして最高傑作だったりする??次号が楽しみだ。