大槻ケンヂ『ロコ! 思うままに』


ロコ! 思うままに

ロコ! 思うままに


相変わらず創作のペースが速いなぁ。
ミステリー・オカルト的題材を中心に、そして時折お得意のロックネタを織り交ぜた9作が並ぶオーケンの短編集だ。
まあいつもの彼だなというところか。ステーシーだとか乱歩だとか、B級アイドルやワゴン車でツアーを回るロックバンドだとかバンギャとか以前から何度も使われているネタが再引用され、その使われ方は予想を超えて恐ろしく陳腐で読んでいて恥ずかしくなるほど餓鬼臭く、つまらない。本当につまらない。エアギターの登場にはとても笑えなかった。冒頭の故中島らも氏へ向けた言葉にはなぜかドン引きしてしまった…。近年稀に見る大失敗作ではないか?

ロックにキモいヲタクとババァを引き込んだ大槻ケンヂの功罪について真剣に議論しなければならない時期なのかもしれない。


今までの大槻ケンヂが好きだった人は間違っても買うな!