中原昌也『名もなき孤児たちの墓』発売記念サイン会(タコシェ@中野ブロードウェイ)


映画『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』への出演やベストセラー?『嫌オタク流』の執筆等により最近いろんなところで名前を目にするようになった中原昌也のサイン会が中野で執り行われた。タコシェに行く前に同じブロードウェイ内のCDショップ「レコミンツ」で暴力温泉芸者の『OTIS』を890円で発見してしまったので迷わず購入。ツイてる!今日はなんだか良い事がありそうだ。
開始時刻の17時少し前に店を覗いてみるといましたいました!いかにもなサブカル君が数十人ほど。20代の男子が大半を占めていた。狭い店内に定刻に整列、しかし肝心の本人が会場に現われない。店員さんが何度も携帯電話で連絡をとって、もうじき着くとの返事とのこと。しかし、なかなか現われない。結局10分強遅れて中原昌也が登場。ふっくらとした顔にふっくらとした体型、ボアつきのパーカー、いつもどおりの中原の姿だ。小説の内容は陰湿で絶望的で救いがなくてどうしようもないものだが、書き手本人はその辺にいそうな気のいいあんちゃんだ。安心した。
すぐに私がサインしてもらう順番が来て、色つきのサインペンを手にとって表紙の次のページに堂々と斜めに
中 原 昌 也とごくごく普通な楷書体で書いてくれた上に、
日付為書タコシェにてと、なんとも気前良くカラフルに書いてくれた。この世に二つとない個性的な一生の記念となるサイン本だ。


「遅れちゃってすいませんねぇ」と笑顔で謝る様子に人柄の良さが滲み出ていた。私はこういう人が世の中に出てきて活躍できる社会も悪くないと感じ、ちょっとうれしい気になった。笑顔が似合わないはずの男の笑顔は予測不能なほどに魅力的だった。
最後に「町田康さんの企画イベント、見に行くので楽しみにしてます♪」と話しかけると、「あー(^^)、そおっすか、その時もよろしくー(^^)」と気さく極まりない口調で答えてくれた。中原昌也、いい男ジャン、世の中の女はこういう男の良さにもっと注目すべきだ!私はこっそり彼のような人間を目指して生きたい。


名もなき孤児たちの墓

名もなき孤児たちの墓