町田康ワンマンライブ(下北沢CLUB Que)

平日、下北、6時半開演に間に合わないかと思い日本橋からダッシュで移動したら余裕でセーフ。到着した時点でキャパ200人ほどの狭い会場は超満員であった。ほぼ定刻にメンバーが登場、去年の町田康スペシャルナイト(id:yasshiko:20051028:p2)の時と似たようなバンド編成(AxSxE(G)、赤坂みちる(B)、恒岡章(Dr)、石橋英子(Key,Fl&Dr))、なんと、、、オープニングは散文の朗読からだった。その内容からもうまさに町田康!取るに足らないつまらない男のコミカルな人生、奇怪なストーリー展開、ダメ人間のしょうもない生き様。
5分間休憩(笑)の後、1曲目は‘イスラエル’。セットリストは町田康グループの時ときっちり区別されているようだ。ロックテイストの強かった町田康グループに対して、今日のバンドは狂気っぷりやアート色が強調されているように感じられた。音が堅くて攻撃的なプレイをするSHIMA-CHANGとは対象に、赤坂みちるのベースは柔らかで味わい深いものがあった。時折登場する石橋英子のフルートも素晴らしい効果を醸し出していた。器用で素晴らしいプレーヤーだと思う。キラーチューンである‘うどんの中の世界’の軽快なイントロと狂った歌詞のミスマッチは面白かった。各メンバーの粋なプレイと文学性の高い選曲とがうまく作用し合い、他では聴くことのできない独自の世界観を期待以上に演じてもらえた。

会場が最高に盛り上がるのはやはりINU時代の曲。このメンバーならやってくれるだろうとひそかに予想していた‘インロウタキン’、POPだけど狂ってる、町田の個性は10代の時からすでにここまで強力なものであったのだ。お約束のノリノリ曲・‘フェイド・アウト’、恒岡と石橋のヘヴィなツインドラムがカッコよかった‘気い狂て’、今夜の町田康は20年以上の時を生きてきた曲の持つ世界観を多分に表現し切ることに、いつものライブ以上に注力していたように見えた。
ラストは‘名前の歌’。「皆さん、ありがとう」、と言いたいのはむしろこっちのほうだと素直に思える心に残るいいライブだった。来月催される「町田康スペシャルナイト Vol.2」ではどう魅せてくれるのか、ますます期待が膨らんでしまう。

■ 町田康 ■
1、朗読 2、イスラエル 3、俺はいい奴 4、わるいやつ 5、インロウタキン
6、うどんだし 7、朗読(なんか暗いのう) 8、なんで 9、うどんの中の世界 
10、生きる価値 11、頭が腐る 12、アイムフル 13、フェイド・アウト

〜encore〜
14、気い狂て 15、名前の歌   (順不同)


メシ喰うな

メシ喰うな