本谷有希子『ぜつぼう』

『群像』11月号の巻頭に掲載された本谷有希子の小説。ブームに踊らされ売れなくなったお笑い芸人が不眠症に陥り、精神科の帰り道の公園で浮浪者と出会い、突然見知らぬ農村で生活を始める物語。主人公のモデルは猿岩石か？チューヤンの相方（名前忘れた！）か？
やはり本谷は作家としてまだまだ青い。何から何まで素人丸出しで読んでいて恥ずかしい。無意味に克明過ぎる心理描写や何を狙っているのかわからない不適切な（日本語として誤った）表現は私を困惑させ、たびたび登場するおかしな比喩のあとには不快感しか残らなかった。知恵を働かせて様々なアイディアや技法を取り入れているつもりなのかもしれないが、それはだだ突拍子もないだけで面白いと思えた部分はない。三島賞の選評で酷評されまくった『腑抜けども〜』のほうがまだマシかも。はたして作家として花が開く時は来るのか？

ぜつぼう