素晴らしき日曜日 〜「EYESCREAM創刊一周年イベント試写会」@スペースFS汐留

yasshiko2005-04-17



EYESCREAM誌の創刊一周年を記念して最高に素晴らしいイベントが開催された。なんと、映画「ライフ・アクアティック」と「ミリオンダラー・ベイビー」の試写会に加え、阿部和重×中原昌也トークショウの三本立てという豪華な内容である。
天気のいい暖かい日曜日、ウキウキ気分で汐留へGO。開場時間の13時のちょっと前に会場に到着。もう50人くらいの行列ができていた。いろんな人がいたが映画ファンっぽいと言えばそうだったかも。人の並ぶ階段を見上げてみた。どっかで見たことのあるちょっとぽっちゃりした男性を約一名発見、あれ?中原昌也ジャン(笑)。客に混ざってる〜。全然違和感がない。天下の鬼才もこうしてみると普通の人であった。ほぼ定刻に開場され、チケットも提示せず、何のチェックもナシに入場した。
以前は徳間ホールと呼ばれていたらしいこのスペースFS汐留、広々として天井が高くスクリーンがデカい!観やすそうだ。椅子がすごくフカフカでゆとりがある。隣の人の挙動も気にせずに観れそうだ。さあ、一本目は「ライフ・アクアティック」だ!(時間の都合でクリント・イーストウッド監督「ミリオンダラー・ベイビー」は試写を涙を呑んで断念した。無念。)


ウェス・アンダーソン監督「ライフ・アクアティック」−才能枯れたヤツがいた〜ぁ


海洋探検家にしてドキュメンタリー映画監督のスティーヴ・ズィスー(ビル・マーレイ)の最近の作品はすこぶる評判が悪く、過去の輝かしい名声には傷がつくいっぽうだ。悪いことに前作では長年の協力者をジャガーザメの襲撃により失ってしまった。そんな彼が友の敵を取り、一挙汚名返上を図るために新たな探検に出る物語。展開が早くて一秒たりとも目が離せない、水曜スペシャル川口浩探検隊を髣髴させるような勇敢でややコミカルな楽しい映画であった。
阿部和重をしてここ10年で10本の指に入る映画と言わしめたこの作品、欧米での評価はイマイチのようであった。がしかし、私としてはかなり楽しめた。まず細かなこだわり(探検クルーのユニフォーム、探検船や潜水艦等のセット、大海原に棲む奇妙な生物、海賊のキャラ、無人島で意味不明に降った豪雨、グループ内の掟、融資・資金問題、無償アルバイト君などなど)が素晴らしい。さらに個性出まくりの各探検クルーのキャラ分けが絶妙すぎる!
ラストシーンの潜水艦内の様子は映画館を表していると阿部は語った。息を潜めて眼前に巻き起こる世界を注視する、まさにそのとおりである。私がこの映画を観ている時の表情とスティーヴが潜水艦内からジャガーザメを観察する表情はきっと同じだったのであろう。


5月7日から順次全国ロードショー、ぜひとも観るべし!
オフィシャルサイト http://www.movies.co.jp/lifeaquatic/


阿部和重×中原昌也トークショウ−6年ぶりに見るあなた


ひとまず映画が終わり休憩タイムへ。煙草を吸いにロビーに出た、、、阿部和重がいた!いた!!ブランド(グッチかな?)モノの黒のジャケットにジーンズ。こんな背が低かったっけ?記憶していたよりもずっと小さくて細かった。実年齢より一回りも若く見えた。悪く言えばガキ臭いくらいだった。「無情の世界」発売記念のサイン会で見たときはオーラ出まくりだったが今日はとても普通の人に近い印象を受けた。この人が数々の名作を書き上げ挙句の果てに芥川賞まで取っちゃったのか。

休憩が終わりトークショウが始まった。
まず「ライフ・アクアティック」について。阿部はこの日でこの映画を観るのは4回目、中原氏はなんと6回目だという。阿部がトークをリードし中原がツッコミを入れるスタイルで緩々と話は進んでいく。阿部がこの映画に対する熱い思い入れを語る。大物がこの映画のどこに目を付けたのかが興味深かった。ウェス・アンダーソンに直接インタビューした時のエピソード、、、話をはぐらかされたのかもしれないが、マニアックな部分まで深く考えないで映画を作っているようだったらしい。続いて「ミリオンダラー・ベイビー」から石原都知事VSクリント・イーストウッドについて。中原らしい毒のある発言連発。本当にこういう人なんだな。案外わかりやすい人なのかも。トークはあまり得意ではないという阿部がダラダラダラダラ話し続け、予定時間内で終了。ゆったりと本音トークを聞けただけで本当にありがたかった。
EYESCREAM誌さん、ありがとう。またこういうのを企画して欲しい。