Collaboration Breakdown Vol.3 (CLUB GOODMAN)


LIVE:七尾旅人大友良英ドラびでおナスノミツル+山本達久+石橋英子


ドラびでお秋葉原グッドマンで開催しているガチンコ・セッション大会の第3回目。前回も行きたかったのだが2月20日だったために断念した。しかし今日も有能なミュージシャンがズラリだ。にもかかわらず、そんなに混んでいなかった。サッカー日本代表の試合のせいだろうか。しかしこういうマニアックそうな客の集まるライブは好きだな。


まずはイタリア公演から帰国したばかりの石橋英子ナスノミツル< B,Vo>・山本達久NATSUMEN)の布陣で登場。石橋のソロ曲を数曲(‘Sanctuary’、‘Last Sky’、‘ベラのテーマ’、‘アーケイドのクリスマス’)、これらの曲の合間合間に、3名による炎のインプロヴィゼーションが炸裂した。やっぱりナスノのBASSプレイばかりに目が行ってしまう。いろんな弾き方でいろんな音を出していて、エフェクターの使い方やヴァリエーションに富んだピッキングなどからは、さすがはグルーヴ・マスターの異名を持つ男たるアイディアの豊富さや卓越したテクニックが今日も窺えた。どれだけ難解なフレーズでもバキバキ弾いていても常にスムースなプレイだ。カラフルで変幻自在、期待どおりのバカ腕に驚嘆。彼のヴォーカルが聴けたのもお得だった。
‘Last Sky’が聴けたのは嬉しい。石橋の2ndソロアルバム『Drifting Devil』に収録されているずいぶんとストレートなポップチューンだ。入魂のピアノプレイも素晴らしく、仕掛ける山本に瞬時に応酬する様は特にお見事。器用なプレイヤーだなぁ。



飛行機事故の影響で帰国できなくなった灰野敬二の代役として急遽七尾旅人が出演が決定。ということで一楽儀光(ドラびでお)大友良英を加えた3名でこちらもガチンコバトル。こちらはわりとPOPなテイストで聴きやすい演奏だった。太い腕っ節でガンガン叩く髭面の一楽儀光はまだまだ息子に負けていないな(笑)。シンプルな8ビートでもなんだかすごく説得力があるように聴こえる。大友のノイジーなギターと七尾の声とがそれに混じり合ったり反発しあったりする。ありそうでなさそうな組み合わせなだけに、こちらもお得だった。七尾は今日も聴く者の反応や場の状況を上手く読み取ったかのようなパフォーマンス。珍しくいつもとは違う服だったこともここに記しておこう。


見に来ていた人々はみな満足げな表情で会場を後にしていたようで、なぜか私も嬉しくなった。