カニクラVOL.1『おやすまなさい』(アトリエヘリコプター)

隣の席の男が上演開始直後に携帯電話をいじくり始めたので、軽く殴ってきた。非常識きわまりない。

作:前田司郎(五反田団

演出:岩井秀人(ハイバイ)

出演:川田希、宝積有香


川田希と宝積(ほうしゃく)有香が企画・プロデュースする演劇ユニット・カニクラ(オフィシャル・ブログより)の公演を観に行ってきた。本日が千秋楽。わかるようなわからないような組み合わせだが、この2名の女優に演出をつけたのが昨年から絶好調の岩井秀人で、本は前田司郎の手によるもの。むかし五反田団で上演されたものらしい。川田希はたしかちょっと前にハイバイの作品に出演していたな。なかなか綺麗な顔をしている。

ストーリーは前田が小説で書いてる中身に近かったかな? 昨年11月にここで上演された『すてるたび』に近かったような気もする。幻想的でファンタジックなんだけど、ありえないくらいフザけた状況設定で、かなり脱力的。たいしたヤマもなければオチもない。しかしそんな中になにかとても重要な事柄が込められているような、いないような……。
演出のほうはストレートで、女優陣の特性をありのままに見せるような感じだった。あまり岩井らしくないといえば岩井らしくないのかも。川田・宝積の演技は可もなく不可もなくといったところか。そこそこに器用でソツがない。パジャマ姿は両者セクシーで、そういう面では見どころ多し。何気ないやり取りのなかから何かを読み取らなければ、と思いながら終演まで1時間15分くらいだったかな。私は結局最後までとっかかりが掴めずに、、、これはどう観るべきだったのか悩みそうになる寸前で、、、ほどよくジーンとキタ!!!  ハイバイの『て』、そして岩井作・演出の『投げられやす〜い石(ジェットラグ・プロデュース)』で感じたあの感じだ。なにか大切なことを教えてもらえた感じ、いいことを知ってしまったような感じ。これこそが男・岩井マジックなのだろうか。大きな手ごたえや深い感動とは違う。とても特殊な感慨に似たようなもの(??)を、今回も味わうことができた。
理由は全く解らない。。。岩井の力の所以は未だヴェールに包まれている。


カニクラ:http://ameblo.jp/canicula88