青山演劇LABO#002 グリング第17回公演 『吸血鬼』(青山円形劇場)

作・演出:青木豪

出演:高橋理恵子演劇集団 円)、中野英樹平田敦子みのすけナイロン100℃
    萩原利映、遠藤隆太、杉山文雄安藤聖、辰己智秋(ブラジル)


いまさらですが初めて観ます。グリング。みのすけ安藤聖という観慣れた役者が出るのでそちらにも期待しつつ。


・脚本家の男がが主人公で、メタフィクション的構造というか、語り手の二重構造的形式というか、阿部和重の小説みたいな作りだった。
・役者陣みな優秀!墜ちてゆくヒロインの高橋が非常に良い。久しぶりに見た最強のデブキャラ・平田敦子も良い。どこなく不気味さを醸し出していたみのすけナゴム風情があって良い。安藤聖は美味しい使われ方で、その役割をしっかり果たしてくれていた。
・ストーリーもなかなかのもの。ミステリー仕立てで亡くなった元恋人の謎を主人公が解き明かしていくのだが、観ている側としても序盤から自然と感情移入してしまいスリルを味わうことができた。よく出来ているなあ。
・ハッピーエンドではないし、誰も報われなかったけれども、観劇後はなにか特別なものを享受させてもらえたような感でいっぱいだった。こういう人間の手で苦労して組み立て上げられた作品は個人的に大好きだ。