『罪とか罰とか』公開初日舞台挨拶(シネマライズ)


登壇者:ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督、成海璃子犬山イヌコ山崎一奥菜恵安藤サクラ


待望の初日〜!昨年の『グミ・チョコレート・パイン』に続いてKERA監督通産3本目の映画が公開だ。舞台挨拶の前に肝心の中身から。ストーリーはシンプルできわめてわかりやすい。そのなかにまさしくケラリーノ・サンドロヴィッチ以外の何者でもないシュールだったりトホホだったりブラックだったりなネタがたっぷりと、細かく混入されている。まあ予想通りだな。ケラのやることなら半盲目的に楽しめてしまう私のような人間ならばこれだけで満足できる。
そしてカラフルで豪華な出演者たちがそれに絶妙の味付けをしてくれていた。ヒロイン・成海璃子は評判どおりの器用な演技。ほどよい生命感や人間臭さが出ていていいね。ケラが彼女の力を大絶賛するのもうなずける。犬山イヌコは今回ももちろん実力どおり味のある神演技。そして意外によかったのが奥菜恵だ。破天荒なコンビニ強盗役がなかなかハマっていたのだ。前にアサスパの公演で見たときも思ったけれど、なんだかんだいっても実力者だな。大倉孝二も同様に舞台の時以上に笑わせてくれた。あのなんともいえない雰囲気がスクリーンから滲み出て客席に溢れかえっていた。小劇場界からチョイ役で多数の役者が出演。池谷のぶえ広岡由里子、森田ガンツ玉置孝匡etc.、ナイロンからはみのすけ、長田奈麻、廻飛雄、廣川三憲、植木夏十etc.、1シーンのわずかななかで個性が出せていてなかなかすごい。
ほどよくウォームでシュールな見せ場の連続なので1時間50分まったく飽きないしダレない。これからどう魅せてくれるかが常に気になって自然と没頭していた。かなりライトなのでこれは中高生とか若い人に観てもらいたいな。



上映終了後、舞台挨拶。上記のメンバーが登壇。たいした内容のあることは言っていなかったが、やはり生で(最前列だったぜ)見られるいうのは嬉しいものだ。ケラは見るたびに箔が付いていて大物感がバリバリだ。何をやっても上手く進む、表現者として今が旬なのだ!これはみなきゃダメだよ!