『黒猫』(新国立劇場 小劇場)


原作:エドガー・アラン・ポー
脚本・演出・映像:奥秀太郎
出演:藤谷文子戸田昌宏手塚とおる町田マリー毛皮族)、岸建太朗、内田春菊
    リンホブデイ、町田水城、中林舞(快快)、佐藤駿、鈴木雄大


奥秀太朗演出『黒猫』公式サイト:http://kuroneko.tv/index.html



ねむかったにゃ〜。ねむかったにゅ〜ぅ。





映画『カインの末裔』や『ドモ又の死』を手がけた奥秀太朗がエドガー・アラン・ポーの小説をアレンジして舞台化した。彼が映画でやったのと同様に創りは非常に緻密で精巧であった。薄暗く湿り気のある物語はポーの小説らしいある種の異様な香りを漂わせていた。
が、どうも私にとってはかなり物足りない作品だった。藤谷文子はこれをこなせるまでの技量のある女優じゃないし、戸田昌宏の演技はゴールデンタイムのTVドラマのようにチープな感じがしたぞ。舞台設備や映像は大変綺麗で立派だったが、肝心の登場人物が薄口で、印象に残るシーンやセリフもなかった。絵的には美しくても生身の体を持つ人間からの魅力を感じ取られなかった。1時間40分は長かったし、非常に疲れた。
町田マリーは地味な役を与えられ無難にこなす。可もなく不可もなく。