毛皮族のお気軽軽演劇シリーズ第3弾!!『大好き!!5つ軽演劇ちゃん』・N演目 達者田敏子ワイドサスペンス劇場「達者田は見た!京都おそばツアー殺人事件」(リトルモア地下)


作・演出:江本純子

出演:江本純子金子清文、高野ゆらこ、延増静美、平野由紀、赤澤ムック(黒色綺譚カナリア派


もう今回で3度目、原宿のリトルモア地下で行われる毛皮族の軽演劇シリーズ。今回は5演目あるということで、観たいものを選んで行くことにしようとしていたら、結局全部観たくなって5公演1回ずつ観に行くことにした。本日はこのシリーズの目玉、江本純子演じる敏腕レディー・達者田敏子が大活躍(!?)する恒例「おそばシリーズ」、N演目の初日である。客演には黒色綺譚カナリア派の赤澤ムック、映画『ドモ又の死』繋がりだね。


なにがどう面白かっただとか良かったとか悪かったとかよりも、まず思ったのは狭いコヤでの上演中の空気感や雰囲気がいかにも毛皮族らしい作品であることだった。ジュンリーがベラベラベラベラ飛ばしまくって周りは右往左往し、サスペンスドラマ風に仕立て上げられた物語(ストーリーはしっかりしているのだ)は二転三転する。もちろんその中にはこれぞ毛皮族的なチープさやグダグダ感、どうしようもないギャグや低次元のシモネタ、くだらなすぎて観ている方が呆れるほどの演出なんかがふんだんに織り込まれている。こういうのを見せてもらえると私はとても嬉しくなる。江本のみならず、高野、延増、平野といった他の劇団員にもたくさんセリフが与えられていてそれぞれに見せ場がある。そしてみなさん着実に成長しているようでなかなかうまいなと思った。とくにバスガイドと婦警の役を演じた延増静美は美しくてコケティッシュで、瑞々しい感じのキャラがしっかりと活きていてセクシーだったし、カッコよかった。

そしてこの演目の最大の良さは赤澤を見事に使ったオチだ。グダグダになってそのまま終わってしまうのかと思った矢先に抱腹モノのナイスな結末が待っていたではないか。これはしてやったり!彼女を呼び迎えたのは大正解。昨夏の『初夏の軽演劇』のときよりも、かなり作り込まれている風で、他の演目の出来ばえも楽しみになってくる。

メガネをかけてアラレちゃんのような顔で新聞記者を演じた高野ゆらこちゃんは今回も滅茶苦茶に可愛かったです♥。ちょっとドン臭い感じがうまく表現できていて彼女もまた優秀。エキス飲みたいなー。