上原ひろみ〜Hiromi's Sonicbloom 『ビヨンド・スタンダード』日本ツアー(東京国際フォーラム ホールC)
Personnel:上原ひろみ(pf,syn)、トニー・グレイ(b)、マーティン・ヴァリホラ(ds)、ジョン・シャノン(g)
今年5月にリリースされたスタンダード・カヴァーアルバム『Beyond Standard』に伴う、上原ひろみのバンド‘Hiromi's Sonicbloom ’の凱旋JAPANツアー、今日でもう6日目、会場は有楽町の東京国際フォーラムだ。ホールCのキャパは約1500人ということで、チケット争奪戦はなかなか熾烈なものだったのかもしれないが、私は運良く入手することができ、めでたく参戦ということになった。上原のライブは40代くらいの男性客が多い。私の隣席はきまっていつもオジサンで、今日もそうだった。演奏中にヒジ打ちや貧乏揺すりは本当にやめてもらいたい!!どうして彼女にはこんなに無神経なファンばかりつくのだろう。
感想を以下箇条書き。
・シンセの電子音が綺麗に響く!板のパネルが張り巡らせられたクラシック向きっぽい会場で、どう聴こえるのか想像できなかったのだが、コレが良かった!2曲目の‘Led Boots ’の眩さと大迫力には、今日のライブに来てよかったと思った。ステージ上の4人が21世紀に入ってからのジェフ・ベック・グループに見えた。HEAD HUNTER'Sみたいだった。ファンキーな路線がやっとこ板についてきたな。このバンドならではのグルーヴがやっとやっと確立された。
・ギタリストがこれまでと違う人で、、、今日弾いた人のほうが格段にこのバンドに合っている!創りこんでガチガチに武装したバンドなのである程度カッチリしたフレーズで組み立てるプレイヤーのほうが相応しい。輪郭の整ったオブリガードが随所で輝いていた。こっちの人を正式なメンバーにしてほしい!
・念願だった‘My Favorite Things’、やっと聴けたよ。曲のメロディが兼ね備える静謐さに新たな息吹を加えるような演奏は見事!コルトレーンの演奏とはまた違った緊張感が感じられた。ただ、ソロがやや冗長だったのがちょっと残念。セルフカヴァーの‘XYG'、やっぱりマーティンのドラムは凄いのだ!独特のスリルと複雑な曲展開が興奮を呼ぶ。
・もちろん4人ともテクニカルでどこに出しても恥ずかしくないさすがのパフォーマンス。迸る情熱に息を止めて聴き入った。ロック調の曲でもピアノソロではしっかりひろみ節健在。ヒジから血を流すほどの尋常じゃないパワーには今回も脱帽だ。
・しかし、いつも思うのは、温かすぎる場の雰囲気が好きじゃないよ。。。これは私がロックを聴いて育った人間だからなのか。ハッピーなのもいいんだけど、世界中を回って戦い続けてきたバンドなのだから、怖いくらいのなにか「異様さ」のようなものが欲しい気がする。ワガママだけどね。
・pが何個必要なのかわからないくらい聴きとれるかどうかの本当に小さい音から、アグレッシヴな怒涛のインタープレイまで、ダイナミクス・レンジはとてつもなく広いバンドなのでPAの仕事は本当に重要だ。おおむね問題なくてありがたかった。が、必要なところではもうちょっと大きい音が欲しかった。
・『スパイラル』の頃ほどには入れ込んでは聴けなくなったけど、やっぱり見逃せない存在なことは確か。来月はコクーンで熊谷和徳とのコラボだ。
■ 上原ひろみ〜Hiromi's Sonicbloom ■
1、SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE 2、LED BOOTS 3、CLAIR DE LUNE 4、MY FAVORITE THINGS
5、UE WO MUITE ARUKO 6、XYG 7、DOUBLE PERSONALITY 8、I'VE GOT RHYTHM 9、CARAVAN〜encore〜
10、GREEN TEA FARM 11、TIME OUT
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