ハイバイ『オムニ出す』(リトルモア地下)


常〜いつもの<ヒッキー・カンクーントルネード>
出演:端田新菜(青年団)、平原テツ、岩井秀人、坂口辰平、川田希


仏〜フランス<コンビニュ〜または謝罪について〜>
出演:師岡広明、永井若葉、坂口辰平、篠田千明(快快)


今年小劇場界で最も活躍した男といっても過言ではない岩井秀人率いるハイバイが原宿のリトルモア地下で公演を行った。1月にやった『投げられやす〜い石』(ジェットラグプロデュース)、夏にやった『て』、どちらも最高に面白く見応え十分だったので今作も迷わず観に行くことにした。しかも演目はこの劇団を代表する名作の再々々演、前に観たときとキャストも変わってどうなっちゃっているのか楽しみで仕方がないのだー。で、床にザブトンじゃなくてちゃんと座席(椅子)があったのは嬉しいー。


まずは『ヒッキー・カンクーントルネード』から。母親役の俳優と言語障●を持つ男の子の役の人が面白すぎるw。そして岩井秀人のレスラーコスもインパクト絶大!上演時間は1時間20分くらい、ほどよく笑える感じに仕上がっていたが、やはりこの作品はなにか大きなものを含むような含まないようなミステリアスなトコロがあるな。終盤でやっと外出することとなったヒッキーが血塗れで帰宅する残酷なシーンはちょっぴり背筋が凍りついたし、こういう身の丈の低い作品でなんとなく示唆的なコトを堂々とやっちゃう岩井が私は好きなのだ。笑えるけど「笑えない」不思議な作品なのだ。川田希という女優さんを初めて見たけどなかなか綺麗ですな。


5分間の休憩の後『コンビニュ〜または謝罪について〜』。登場人物が不思議な動作をして意味不明な発言をして、なんとなくチェルフィッチュをパロったように見えなくもなかったが、はたして意図的なのが無意識なのか。コンビニでタバコを買ったのときの、間違ってたのに決して誤ろうとしない店員とのやりとりをダラっとした感じで観せたもので、上演時間は40分ほど。前半は何が起こるかわからなくてけっこうワクワクしてみていたが、話を進ませない作品だったのでちょっと飽きがきた。ってか、見終わってどんなんだったかすっかり忘れちゃった(笑)。こういう企画モノじゃなくてもっと正統な作品で永井の演技を見たかった気もする。
客席にいた大道寺、落ち着きなくてウザかった。飲み物飲むならもっと静かに飲めよ。