筋肉少女帯 デビュー20周年記念公演 『サーカス団、武道館へ帰る!』(日本武道館)

LIVE:筋肉少女帯大槻ケンヂ橘高文彦本城聡章内田雄一郎


    Support Musicians:三柴理長谷川浩二


    Guests:横関敦太田明、秦野猛行(Key)、みのすけナイロン100℃


はい。行ってきた。筋少の武道館。『仏陀L』でメジャーデビューしてから20年、ほんと〜に、いろんなことがあったねぇ……。


会場のキャパとバンド人気度を考えてみるとけっこう空席もあったり?なんて思っていたがいざ始まってみると3階席までほぼ満席だった。オーディエンスの表情からはこの「特別な日」への意気込みや、20年間への様々な想いなんかが読み取れた。落ち着かない…。2〜3時間が経過し、ライブが終わった時、我々はどんな感情を抱いて帰途に着くのであろうか。



15分ほど押して、メンバー登場時のSEはEL&Pの‘聖地エルサレム’!そしてシンセサイザーのファンファーレが鳴り響く、なんと一曲目から‘サンフランシスコ’だ!!!!1万人ものオーディエンスを前にした大舞台であっても物怖じするような彼らではない。吸いも甘いもを知り尽くした大人たちの冷静な演奏だ。素晴らしくないはずがない。ステージ上の6人から発せられる怒涛のエネルギーに早くも私は圧倒された。それから前半はPOPでノリノリな代表曲が並べられた。いまの筋少はノリがユルすぎてあんまり好きじゃないと思っている私でも、バンドが長い歳月をかけて積み重ねてきたたくさんの財産の存在には感動せざるをえなかった。1曲1曲の重みがその辺のバンドとは違いすぎるのだ。


中盤、‘僕の宗教へようこそ’では90年代筋少を支えたキーボーディスト・秦野猛行が登場、なかなか的確で派手なプレイを披露してくれて、こういう曲だとエディよりも彼のほうがしっくりくる。そのエディは自慢の低い声で「オペラ」を歌ってくれて、これにはジーンときた。


続いてジェットフィンガー・横関さん!が登場。曲はもちろん‘キノコパワー’。2ndアルバム『SISTER STRAWBERRY』での激しいバトルが蘇る…。もちろんエディのピアノも絶品だ。両者テクニックはもちろんのこと、聴かせて興奮度を高めさせるスリリングなフレージングもお見事!


一番の代表曲(!?)、高木ブー〜!を挟んで今度はメジャーデビュー時のドラマーで、みのすけがアコギを抱えて出てきた。曲は‘福耳の子供’。グロテスクな歌詞とプログレ調の曲展開が聴きどころの曲だ。みのすけ、内田、本城の3人(みんな日鶴高校卒だ)が並んでプレイする様にまたジーンとくる。。。エンディングのみのすけの語りはいかにもナゴムな味わいがあって、さらに初期筋少の風情が増していた。


私が武道館でどうしても聴きたかった曲のひとつである‘バトル野郎〜'では'90年代黄金期を支えた太田明がドラムを叩いた。年月が経ったぶんだけ年を取ったようにみえたがプレイは筋少が一番売れていた頃を彷彿させるものがあって、これもまたヨシ。


終盤はどうしても外せない名曲のオンパレード、‘イワン〜’、‘これでいいのだ’、‘踊るダメ人間’、、、眼前に君臨するモンスターバンドの漲るチカラに体が震えるほどの衝撃を受けた。1万人の「ダメ人間JUMP」の壮観は今日のライブのハイライトだ。1万人それぞれが筋肉少女帯というバンドへ向けて、大いなる敬意とこの日の歓びを抱いてのジャンプは先日のX JAPANの復活ライブ(東京ドーム)の衝撃に勝るとも劣らない凄みがあった。


アンコール、これだけの面子を揃えて武道館に帰ってきた彼らが演らないはずがないのは‘大釈迦’。筋肉少女帯が培ってきた大きな大きな何かがそこには凝縮されていた。歴代功労者それぞれが秘めた想いを音に表現して、オーラスは最新シングル‘ツアーファイナル’。リリースされたばかりの曲をここにもってきたというのは彼らがこれからまだまだ先に進む意志があるということの決意表明だろうか。あまりに特別で濃すぎるライブ、‘詩人オウム〜’、‘いくぢなし’、‘小さな恋のメロディ’、‘日本の米’、‘風車男ルリヲ’、、、聴きたかったけど聴けなかった曲に関しては次のライブに期待することにしよう!!


筋肉少女帯

1、サンフランシスコ 2、君よ!俺で変われ! 3、日本化印度計画 4、暴いておやりよ ドルバッキー 5、労働者M
6、仲直りのテーマ 7、僕の宗教へようこそ〜Welcome To My Religion〜 8、キノコパワー 9、元祖 高木ブー伝説
10、福耳の子供'08、11、香奈、頭をよくしてあげよう 12、バトル野郎〜100万人の兄貴〜 13、イワンのばか 
14、これでいいのだ 15、踊るダメ人間 16、トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く


〜encore〜

17、俺の罪 18、俺の歌を全て君にやる 19、Guru 最終形 20、大釈迦 21、ツアーファイナル