大槻ケンヂ 『デビュー20周年大祭 人として軸がぶれている!』(LIQUIDROOM Ebisu)

MEMBER:大槻ケンヂ(Vo)、三柴理(Key)、高橋竜(Ba)、五十嵐公太(Dr)、日下部"BURNY"正則(Gu)

お祝いゲスト:NARASAKI(COALTER OF THE DEEPERS、特撮)


仏陀L』が世に出てから、めでたく20年!まだリキッドルームが新宿にあった時にやった15周年記念ライブからもう5年!オーケンが素晴らしいメンバーを募っての記念式典を大々的に開催してくれた。同じくデビュー20年の盟友・三柴理が参加するのは当然のこと、それに加えて先日デーモン小暮閣下のツアーで素晴らしいプレイを聴かせてくれた五十嵐公太、特撮からはNARASAKI&高橋竜、元SNIPERのBURNY日下部、、、スゴ腕をズラリと揃えてきた。チケットはSOLD OUTで当日券もないようだった。開演のちょっと前に到着すると空きロッカーは残りわずか、ギリギリでセーフ。フロアに出てみると筋肉少女帯のライブとはちょっと違う雰囲気だ。6月の夏への扉が開かれる……、ゾクゾクするぜ。


オープニングは特撮のデビュー盤の1曲目‘アベルカイン’。初っ端から大盛り上がりだ。オメデトー!という怒涛の歓声に釣られて大声を出したくなる。めっちゃ興奮するぜ!厚みのあるツインギターの音圧が心地よい。続いて‘オンリー・ユー’、‘日本の米’、‘空想ルンバ’、、、大槻がこの20年間に残してきた幾多の名曲を満遍なく披露していくのか、でもやっぱり俺が聴きたいのは特撮の曲だ。主役の大槻も絶好調で、とっても気持ち良さそうに歌っている。


‘テレパシー’、‘文豪ボースカ’、‘パティー・サワディー’、もしかしたらしばらくは聴けないと危惧していた曲が前半から連発!特撮の曲はどれもエモーショナルでプログレッシヴだ、バンドメンバー各人の色はよく映えるし、なによりも歌詞が良い。
その後は少々マイナーめな選曲、‘企画物AVの女/ヘイユー・ブルース’、電車の‘アウトサイダーズ’、ソロから‘あのさぁ’、UGSの‘GURU’、どれもゆったりめのテンポで揚々と歌い上げるオーケンもカッコイイ。詩の中身をしっかり噛み締めるような歌唱法だ。


それからガラッと雰囲気を変えたのは‘踊るダメ人間’!まさか2008年になって五十嵐公太のドラムを前にしてダメ人間ジャンプをすることになるとは思わなかったな…。先のコトはわからんものだ。しかしライブでこんなに思いっきり飛んだのは久しぶりだ〜。気持ちいいぜ。終盤は‘釈迦’、‘ピアノ・デス・ピアノ’、‘カーネーション・リインカネーション’、‘バーバレラ’、、、泣く子も黙るキラー・チューンの連発には文字通り我を忘れてオーケンの世界に魅了されきってしまった。エディのピアノは絶品なのは言わずもがな。プレイは丁寧で感情表現が豊かで味わいが深い。NARASAKIはお得意の変態コードワークと大胆なエフェクトサウンドを駆使して曲を存分に盛り立てたし、五十嵐は今日も器用でそつがない。‘バーバレラ’のイントロのドラミングは有松以上に壮絶。

アンコールではオーケンが渋めなスーツに身を包んでの登場。泣ける名バラード‘ロコ!思うままに’は本日のハイライト。しっとりとしたメロディを切々と歌い上げる42歳の男を前にして俺は泣きそうになった。滅茶苦茶うっとりしたぜ。曲ヨシ、プレイヨシ、記念ライブでちょっと浮かれたような大槻のMCも当然面白かったし、フロアの熱気も120%、新しいハコだったから音質も良い、俺的には筋少のライブよりずっーと楽しめた。こういうのを5年おきじゃなくて毎年やってくれたらなー。不条理な世界を生き抜くには、俺には大槻ケンヂの唄が必要なのだ。


大槻ケンヂ

1、アベルカイン 2、オンリー・ユー 3、日本の米 4、空想ルンバ 5、テレパシー 6、文豪ボースカ
7、パティー・サワディー 8、企画物AVの女/ヘイユー・ブルース 9、アウトサイダーズ 10、あのさぁ
11、GURU 12、踊るダメ人間 13、釈迦 14、ピアノ・デス・ピアノ 15、カーネーション・リインカネーション
16、バーバレラ

〜encore〜
17、ロコ!思うままに 18、ヒトとして軸がぶれている 19、ジェロニモ 20、綿いっぱいの愛を


ロコ思うままに

ロコ思うままに