本谷有希子脚本 『砂利』
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/02/07
- メディア: 雑誌
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本谷有希子(劇団、本谷有希子)脚本、倉持裕(ペンギンプルペイルパイルズ)演出で公開された舞台、『砂利』(劇団ダンダンブエノ)の戯曲が悲劇喜劇という雑誌に載っていたので読んでみた。去年の舞台公開時にしっかり観ていたのでストーリーは頭に入っている。なのでサクサク理解できた。
子供の頃にいじめた相手からの復讐に脅える滑稽な男の話だ。彼の脅えや悩みが妻や周囲を巻き込んで、どんどん面白い方向へ展開していく。肺病を煩った居候だとか、謎の箱オジサンだとか、変なヤツらが登場してきて収集が着かなくなるほど物語は脱線していくが、そんな脱線してなにがなんだか分からなくなってしまうのがこの作品の見どころだったりする。戯曲の中で思いっきりイタズラして遊んじゃって、ニヤリ。こんなの書いちゃいました♪みたいな本谷のほくそ笑む顔が目に浮かぶ。
芝居としては面白いと思わなかったけれど、文章で読んでみると細かい点に必要以上に神経が行き届いているようで、これはこれで良いな。