石橋英子+吉田達也『slip beneath the distant tree』


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PANICSMILEMONG HANG町田康バンドやアチコとのデュオ等で幅広い活躍をみせる石橋英子(Pf,Vo,Fl)と、日本を代表するスゴ腕ドラマー・吉田達也とのユニットの初音源。どちらももとからプログレ色の濃い路線で音楽活動をしてきているという共通点があるため、この組み合わせが実現したことはそんなに不思議ではないことかもしれない。むしろ必然、というのは言い過ぎか。


非常にカラフルな作品である。両者の持ち合わせる高度な演奏技術や実験精神はもちろんのこと、遊び心、プログレからクラシックに至るまでの偉大なる先人・名曲への大いなる敬意、ちょっとしたアイロニー・悪ふざけ、聴いていてついニヤリとしてしまう場面は多々ある。ハチャメチャ加減と有能ぶりの散りばめられ方がウマい。
こんななんでもアリのアルバムなのだから聴きごたえが濃いのも当然のこと。ピアノプレイもドラミングもただ高度なだけでなく、聴き手が楽しめるような工夫を施してアレンジされている。乱暴であっても丁寧だ。要所要所で華々しい曲展開やフックのある歌メロがザクッと姿を現すような作曲能力も尋常じゃないし、よく練られていると思う。石橋の歌は上手くはないかもしれないが器用に自らの特性を生かすことに成功している。これっきりのユニットじゃもったいないから、少なくとももう一枚聴きたい!ライブを見逃してしまったのがただ残念だ。


石橋英子のピアノは‘×アチコ’の時よりも思い切りが良くてずっと爽快!!この人は何を演らせても本当にすごいなぁ。


87点。





【LIVE動画】