ベターポーヅ最終公演『4人の美容師見習い』(OFF・OFFシアター)

作・演出:西島明

出演:渡辺道子、阿部光代、猿飛佐助、松浦和香子、山崎和如、吉原朱美、西島明

旗揚げから14年、この公演をもって解散となるベターポーヅ。役者それぞれが個性的な雰囲気を兼ね備えていて、面白そうな劇団だと思って観に行くことにしたのだがもうおしまいとはなんとも残念だ。


タイトルそのままに4名の美容師の卵がダラッと可愛らしい世界を作り出す。。。やはり、、、のほほんとした劇団員のテイストを上手く生かした作品だったと思う。大爆笑や深い感動はないけれども、心の中でついニヤリとしてしまうような絶妙な演出が随所にみられてこういう表現方法もイイものだと思った。言葉の端々だとか微妙な動作だとか、普通に考えるとどうでもいいようなコトに面白みを見出す芝居で、小劇場らしい、小芝居らしい醍醐味(?)を堪能することできた。そのうえミステリアスなダンスやらパイナップルを包丁でカットして観客に配る(劇中にだぜ)だとか意味わかんないけどいいねえと感じられる「魅せ場」が要所要所に散りばめられていて良いフックとなっていた。
私のお目当ては客演でみたことのあった松浦和香子吉原朱美だったのだが両者とも持ち味を存分に生かした素晴らしい演技をみせてくれた。特に吉原のハキハキした発声と穏やかでなんとなく古臭めな演技はもっと見たいと思ったので今後も注目していきたい存在である。

ダラダラと進むのでこれで結局どうなるのかと思ったら、最後は綺麗にハッピーエンドになっていたのがすがすがしい。心がほんのり暖かくなった。散らかし方と纏め方の妙技に感服。



そういえば2つ隣の席に池谷のぶえが座っていたな。