演劇キックプロデュース 演劇ぶっく社設立20周年記念公演『レミゼラブ・ル』(シアターアプル)

作:ヴィクトル・ユーゴー
脚本・演出:ブルースカイ
出演:廣川三憲/大堀こういち/原金太郎/新井友香池谷のぶえ/小村裕次郎/加藤啓/辻修
    市川訓睦/野間口徹/加藤直美/吉本菜穂子/高木珠里/猫ひろしいとうせいこう 他


演劇ぶっく社の創立20周年記念を祝う公演に物凄い面子が集まった。このラインナップを見ただけでもうワクワクするし、面白い内容に仕上がることマチガイなし!と思い、発売日朝に購入したチケットを握り締めて歌舞伎町、じゃなくてル・歌舞伎町(笑)へ向かった。
一切れのパンと食器を盗んでしまったために……、というのがお決まりのジャン・バルジャンであろうが、この作品のジャン・バルジャンが盗んでしまったのはなんと女子中学生のスクール水着!アンダースコート、スポーツブラと並ぶ‘ロリコン三種の神器’のひとつに手を出してしまった主人公の悲劇的な生涯を、ブルースカイと小劇場界の豪傑たちはどう料理したであろうか。
休憩を含めて3時間強にものぼる長くて内容ギッシリな作品だったので、細々したことをアレコレダラダラ書くのは疲れるしめんどくさいし時間もないので手短にサクッと感想を書いてみよう。



どうも全編にわたって練られ足りない感が付きまとう舞台ではあったが、ここまで大物たちを集めての作品だ、冗長に思える面も多々あったがネタで膨らませられているおかげでミドコロは豊富であった。スクール水着姿まで披露した主演の廣川のはもちろんのこと、猫ひろしやモッカモッカの二人、池谷のぶえと小村裕次郎のコンビ、そして吉本菜穂子の有能さにからは絶えず目が離せなかった。特に吉本の演技はどんな役を与えられてもすごい!出演者の中で最も輝いていた。ナイスなタイミングで割り込んできた辻修のカラオケも◎。選曲もバッチリ。ロリコンネタでな延々と引っ張られてストーリー面ではやや辛くなっても、それを十分補えたのは役者の力であり、こういうのがまさしく演劇の魅力であろう。
次から次へと大物が登場する「オールスター夢の対決」的な香りはとりあえず十分に味わうことができた。特定の劇団の作品でこうも散漫な作品であったら不満を感じたかもしれないが、ナンセンスごった煮ミュージカルという饗宴においてはこれくらいのバラバラ感があったのが結果的に良かったのではないかな?



ふー。。。集中を切らさないように観てるとさすがに疲れた。吉本菜穂子が歌を歌う場面は今回生まれて初めて見たのだが、口を大きく開けて客席を鋭く見渡す様はすっげーカッコイイね。


TOMORROW NEVER KNOWS

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