THREE TALES(Shibuya O-nest)

出演:石橋英子×アチコ、micromicrophone(ミトfromクラムボン)、arbol (ex.piano magic)


某ヘヴンズドアにしようか、それともネストにしようか、散々迷って家から遠い方のO-nestに来た。なんとそれが大正解!出演した3アーティスト共素晴らしい演奏を聴かせてくれた。しかもそれぞれ持ち時間は40〜50分、小規模のハコでここまでの満足感を得たのは本当に久しぶり!


最初に出てきたのはarbolという外国人二人組のテクノユニット。ややダウナー気味で薄暗い世界の中で、シンセやビブラフォン(?)を用いてときおりフックのあるメロディアスなフレーズを織り交ぜ聴かせてくれる知性派なコンビであった。最初は誰も聴いてないような雰囲気だったものの、終わる頃にはすっかりお客さんたち聴き入ってて本人たちはニヤリの表情。やっぱり白人のタイム感はすごいなぁ。どうして日本人にはできないんだろう。


次に出てきたのはミト氏のソロプロジェクト、micromicrophone。ギターあるいはエレピの弾き語りだ。全英詩で、ビートルズのブラック・バードを彷彿させるさわやかで心地よい、ふわふわと柔らかい音を聴かせてくれた。さすがはミトだ。曲構成やアレンジ、メロディ、どの曲も耳を惹くようにさりげなく創りこまれている。音楽は良かったが髪型と顔が気に食わなかったため、結局CDは買わなかった(笑)。まったく無名の人がここまでやっていたのだったら買っていたかもしれん。


最後は本当に素晴らしすぎるアルバムをリリースしたばかりの石橋英子×アチコ石橋英子(p)とアチコ(Vo)の強力ユニットだ。アルバム『ロラ&ソーダ』はマジで名盤!なかなか売れ行きも良いようであるぞ。とにかく石橋のピアノが絶品なのだ。エモーショナルなフレーズが10本の指先からうねるように次々とほとばしる。タッチは力強く確固たる主張のようなものが感じられる。アチコのややクセのある声質に最初はやや抵抗があったが、独特の深さと柔軟さを兼ね備えた歌唱は生で聴くとその響きの良さや逞しさに恐れ入るほどであった。もちろん石橋のピアノに負けていない。特に‘ロラ&ソーダ’、‘私のお気に入りじゃないもの’、‘犬のうっとりさん’、‘夜鷹の星’、なんかでは素晴らしすぎる歌とピアノのコンビネーションに一音たりとも聞き漏らすまいと深く没頭していたくなるほどにものすごいものであった。とても文字では書き表すことのできない深い芸術性を持っているのだ。今一番の注目アーティストになりました、石橋英子×アチコ。次のライブも絶対に、行く!!

石橋英子×アチコ

1、apartment 2、ロラ&ソーダ 3、あかとんぼ 4、新曲、5、大人になれば 6、トゥララ 7、夜鷹の星 
8、私のお気に入りじゃないもの 9、春と小石  (順不同)

ロラ&ソーダ

ロラ&ソーダ